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平成30年度文部科学大臣表彰「科学技術賞(研究部門)」で浅田教授が受賞

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2018.05.02

文部科学大臣表彰の「科学技術賞」は科学技術分野で顕著な功績をあげた者を対象としたもので、「開発部門」、「研究部門」、「科学技術振興部門」、「技術部門」、「理解増進部門」に分かれて表彰されています。

このたび浅田雅洋教授が「科学技術賞(研究部門)」を下記業績により受賞しました。

科学技術賞(研究部門)

浅田雅洋 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 教授

受賞業績:室温半導体テラヘルツ光源の先駆的研究

科学技術創成研究院 浅田雅洋教授

科学技術創成研究院
浅田雅洋教授

電波と光の中間に、テラヘルツギャップと呼ばれる未開拓の周波数帯があります。この周波数帯では、透過イメージングによるセキュリティや食品検査、化学分析、高速無線通信などへの様々な応用が期待されています。これら様々な応用にはテラヘルツ波を発生する光源の開発が必要不可欠で、これまでいろいろな光源が研究されてきましたが、いずれも大型であったり、複数の装置を組み合わせるもの、あるいは低温でしか動作しないものなど、満足できる光源はありませんでした。

本研究では、半導体ナノ構造からなる共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いて、単体の電子デバイスで初めての周波数1 THzを超える室温小型テラヘルツ光源の実現に成功しました。その後も、この光源に新たな構造を導入して周波数を更新し、電子デバイスの最高周波数として1.92 THzの室温発振を達成しました。

この成果がもとになって、RTDを用いたテラヘルツイメージングや高速無線通信などの超小型簡易システムの研究が国内外で始まっています。我々の研究室も、鈴木左文准教授(工学院電気電子系)と協力して、レーダーや無線通信への応用を進めています。本研究は、鈴木准教授と研究室の学生の協力や、多くの方々のご支援で行ってくることができました。関係いただいた方々に感謝申し上げるとともに、引き続き、この光源の高性能化や応用展開を推進していきます。

RTDによる室温テラヘルツ光源

RTDによる室温テラヘルツ光源

RTD光源の周波数の進展

RTD光源の周波数の進展
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