生命理工学系 News
令和6年度第6回(通算第109回)蔵前ゼミ
2024年10月18日、Zoom による遠隔講義にて、令和6年度第6回蔵前ゼミ(通算第109回)が開催されました。
蔵前ゼミは同窓生による学生・教職員のための講演会です。日本社会や経済をリードしている先輩が、これから社会に出る大学院生に熱いメッセージを送ります。卒業後の進路は?実社会が期待する技術者像は?
卒業後成功する技術者・研究者とは?など、就職活動(就活)とその後の人生の糧になります。
2014年 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物理電子システム創造専攻 修士課程修了
2018年 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物理電子システム創造専攻 博士課程修了
今回は「印象記」を省略し、代わりに講師提示の「概要」を掲載します:「レフィクシアは、創業から5年半の正社員21人の会社で、ハードウェアからソフトウェアまで、全てを自社で開発し製造しています。平均年齢は26歳。技術を核として、顧客のニーズに応え続けるべく努力しています。ハードウェアは基板からアンテナ、筐体(きょうたい)までを自社で設計し製造するとともに、スマートフォンアプリ、Webクラウド、サーバも自社だけで構築しています。そんな会社の作り方を本講義ではお伝えしたいと思います。具体的内容は下記Webサイトをご参照ください」。
勝丸泰志(やすゆき、1977電気)蔵前ゼミ担当チーフ幹事からのコメント
この度は、蔵前ゼミにご登壇いただき、誠にありがとうございました。波乱万丈のキャリアをご紹介いただき、ドラマを見ているようで時間があっという間に過ぎました。
ご講演を伺って、なぜ起業に結び付いたのかがすっきりしませんでした。また、何をするかを決めずに会社をつくったことにも驚きました。学生時代のロボットベンチャーの体験が楽しかったからとは仰っていましたが、それだけで起業するものだろうかと思いました。ものづくりが好きだったこと、つくりたいものをつくれることがその理由だったのでしょうか。極めてシンプルですが、それに踏み切れたのは安定とは無縁の性格なのかなと感じました。
英語を勉強するためにEU本部に行かれたり経営を勉強するために戦略コンサルにインターンシップで行かれたりしたとのことで、会社をつくるという目的に対して真摯に取り組みしっかりと準備されたことを理解しました。
たまたま「太陽光発電所の3D設計と発電量解析」という課題を発見したようですが、課題を理解しても、それを仕事にするという決断はなかなかできないものです。その分野の土地勘みたいなものをお持ちだったこと、課題を乗り越えるための基礎的な力をお持ちだったこと、また自社製品をつくらなければ会社を続けていけないという切羽詰まった事情があったとしても、取り組む決断をされたこと、立派に課題を解決されたことに感心しました。おそらく、知力の他に胆力が人並ではないのでしょう。
その後、地形を把握する必要性を見出したとのことですが、この課題に取り組んだのが高安さんだったとは知りませんでした。建設会社がドローンを使って測量していることは聞いていましたが、どこか大手企業がやったのだろうと思っていました。同窓生として、とても誇らしい気持ちです。
ものづくりといっても昭和のものづくりとは違って、様々な技術を使ってサービスに仕立て、それを端末とクラウドで提供しているので、「もの」の概念がかなり広がっていますね。しかも人間中心設計であるところが今の時代に合っています。これからも痒いところに手が届くアジャイルなものづくりを極めていかれることでしょう。
海外進出を考えていらっしゃるとのこと、平坦な道のりではないでしょうが、高安さんなら困難があってもきっと乗り越えて行かれることでしょう。何年か後にまたお話を聞かせていただけることを楽しみにしています。
社員が増えると、人の課題も生まれがちです。経営者としての仕事が増えると思いますが、高安様のこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げますと共に、今後とも東京科学大学および蔵前工業会にご支援賜りますようお願い申し上げます。