生命理工学系 News

宇宙開発の夢と現実

平成31年度第1回(通算第74回)蔵前ゼミ印象記

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2019.05.17

2019年4月26日、すずかけ台キャンパスJ221講義室、及び大岡山S223講義室(遠隔講義室)にて、

平成31年度第1回蔵前ゼミ(通算第74回)が開催されました。

蔵前ゼミは同窓生による学生・教職員のための講演会です。

日本社会や経済をリードしている先輩が、これから社会に出る大学院生に熱いメッセージを送ります。

卒業後の進路は?実社会が期待する技術者像は?卒業後成功する技術者・研究者とは?など、就職活動(就活)とその後の人生の糧になります。

講師:田中 敦先生(1992 機械物理工学科、1994 MS)

三菱電機(株) 鎌倉製作所 宇宙システム部 専任部長

講師の田中 敦先生

講師の田中 敦先生

当日の印象記を、博物館の広瀬茂久特命教授が綴りました。その一部をご紹介します。

 平成の最後を飾るにふさわしい授業だった。聴講者は200 名を超え、階段教室は満席で補助椅子が用意された。聴衆が多ければ多いほど燃えるタイプだという田中さんの言葉どおり、冒頭の動画に始まり、「一番大切なのは仲間!」という結びに至るまで、田中さんの話に引き込まれた。

 20世紀半ばまで夢物語だった宇宙は、人類初の有人宇宙飛行(ソ連、1961)や月面着陸(米国、1969)などによって身近になり、21 世紀に入ってからは地球周辺の宇宙空間を積極的に利用する時代になっている。

 その代表例が人工衛星だ。天気予報が驚くほど正確になったのは気象衛星のお陰だが、田中さんは その開発に携わった(ひまわり7、8、9 号機)。ひまわり7号機(2006、打上げ)にはシステムエンジニアとして、8 号機(2014)・9 号機(2016)ではサブプロジェクトマネージャーとして、多くのチームを1 つにまとめ上げ、カラー画像の取得など世界最先端の性能を持つ静止気象衛星の開発を牽引した。

 この難事業をまとめ上げた立役者として週刊誌「AERA アエラ」にも登場した田中さんだが、意外にも「宇宙」との出会いは遅く、大学院進学の際の研究室配属だった。これまでに手掛けた人工衛星は18 機(開発中の衛星を含む)。これらの大型プロジェクトを通して思うのは「ビジョンなくして失敗は乗り越えられない」ということと「多くの人が“OneTeam”として、1 つの目標に向かって協働できたときの喜びは何物にも代えがたい」ということだそうだ。そんな醍醐味を是非味わってみたいものだ。

印象記のつづきは以下のPDFよりご覧ください。

講演中の田中さん

講演中の田中さん

会場風景(すずかけ台、J221講義室)

会場風景(すずかけ台、J221講義室)

世話教員の粂さん

世話教員の粂さん

司会の橋爪さん

司会の橋爪さん

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

ゼミ後の新入生歓迎会の様子

ゼミ後の新入生歓迎会の様子
小倉康嗣さんから2019年度 蔵前ゼミ開講のご挨拶がございました。

開会挨拶 小倉康嗣さん

開会の挨拶 小倉康嗣さん

皆さんの人生の3 大イベントは、(1)入学、(2) 就職、(3) 結婚です(3つ目は経験しない人もいるかもしれません)。それらの節目でいろんなことを考えると思いますが、常に念頭に置いて欲しいのは、情熱・努力・信頼ということです。勉強にも遊びにも情熱は必要です。天才といわれる人も努力しています。信頼がなければ、人間関係もビジネスも社会も成り立ちません。本ゼミを通して、皆さんの先輩の経験を追体験することによって、これら基本的素養のレベルアップを図って下さい。

新入生歓迎会におきまして、それぞれメッセージがございました。

鈴木登夫さん

鈴木登夫さん

蔵前工業会を代表して新入生の皆さんにお祝いを申し上げます。東工大発祥の地が「蔵前」ですので同窓会は蔵前工業会と称しています。是非、生涯にわたって会員のメリットを享受して下さい。学生時代に友達をたくさん作っておきましょう。一生の宝物になります。

岡村哲至さん

岡村哲至さん

大学院に入学した皆さんは、学歴でいえば上がありませんので、最終段階に入ったことになります。学業主体の日々に変わりないかと思いますが、そんな中でも社会に出ることを意識し始めていることでしょう。自分の研究と社会とのかかわりについて考えることから始めて、長い目で見た自分のキャリア・デザインを心掛けてください。それを支援するために、大学と同窓会が連携してOB/OG の方々に「キャリア・アドバイザー」や「くらまえアドバイザー」になって貰っていますので活用してください。

三原久和先生

三原久和 学院長

すずかけ台は研究には最適の場所です。研究中心に勉学に励んで欲しいと思いますが、その時に“やりがい”を持って、かつ“楽しく”やらないと皆さんに備わったポテンシャルを思うように引き出し、伸ばすことができません。皆さんの成長した姿を見るのが私たち教員にとって一番嬉しいことです。受け身でなく、能動的な日々を過ごしましょう。

益 一哉先生

益 一哉 学長

皆さん、入学式に出ましたね。その時の挨拶(協調と挑戦でいこう!)を思い出してください “...pursue your passions autonomously ... and create your unique, individual stories ... through collaborative challenges...”. 協調心と挑戦心とアカデミックガウンを身に付けて卒業式に臨んでくれれば、皆さんと一緒の記念写真に応じます。

(英語で行った挨拶は次のサイトで読むことができます)https://www.titech.ac.jp/about/president/message/spring_entrance_2019_02.html別窓

本房文雄さん

本房文雄さん

蔵前工業会は、皆さんの学生生活を側面から支援するべく大学との連携に力を入れています。今日大きな景品を手にした人もそうでなかった人も皆一緒になってこれからも同窓会主催のいろいろな会に参加し、向上の機会にしてください。そして、受けた恩は卒業後に同窓会員として後輩に返すようにしましょう。

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