リベラルアーツ研究教育院 News

北村 匡平准教授、西田 亮介准教授、河村 彩助教が 令和2年度手島精一記念研究賞著述賞を受賞

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2021.04.19

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の、北村 匡平准教授が『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房、2019年)、西田 亮介准教授が『メディアと自民党』(角川書店、2015年)、河村 彩助教が『ロシア構成主義-生活と造形の組織学』(共和国、2019年)で、令和2年度の手島精一記念研究賞著述賞を受賞しました。リベラルアーツ研究教育院としては5年連続での受賞者となります。授与式は2021年4月19日に東工大蔵前会館くらまえホールで行われ、賞状と副賞が贈られます。

北村准教授のことば

北村匡平准教授
北村匡平准教授

『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩選書)は私が東工大に着任した2018年に執筆を開始した本です。東工大での様々な記憶と深く結びついた思い出深いこの書物が、歴史ある賞を本学から賜ることができ、大変嬉しく思っております。敗戦を迎えた日本の占領期に颯爽と現れ、スターダムを駆け上がった京マチ子という忘却された映画女優を映画史にきちんと位置づけたい、という思いから企画が始まりました。
本書は2019年2月に刊行され、その3ヶ月後に京マチ子さんは他界されました。生前なんとかご本人にもお届けすることができ、読んでくださっていたということを関係者からうかがっております。この場を借りて、素晴らしい映画を数多く残してくれた京マチ子さんに、改めて深い感謝の意を捧げたいと思います。

西田准教授のことば

西田亮介准教授
西田亮介准教授

本書は、情報とメディア、政治に関する実証研究分野に新しい議論を投じ、これまでも学会賞や実務などで評価をいただいて参りました。この度、改めて手島精一記念研究賞著述賞をいただいたことを心より嬉しく思います。いっそうの精進と本書を超えられる研究に取り組む所存でおります。

河村助教のことば

河村彩助教
河村彩助教

SNSなどの情報網が発達した現代においては、ほんの短期間に多くの注目を集める情報があふれています。著者が試行錯誤し、編集者によって練り上げられ、場合によっては何十年も読み継がれ、繰り返し読まれる本というのは、現代においてはスローで思慮深い奇特なメディアだといえます。私自身そのような本を書き、研究に関しても教育に関しても、そういう人間でありたいと思っています。東工大ではこれまで数々の優れたロシア研究者が教壇に立ってきました。私の著作はそのような先人たちの研究が土台となっています。研究の基礎を築いた先人たち、私の著書を丁寧に読み、評価してくださった全ての方々に深く感謝します。

手島精一記念研究賞について

手島精一記念研究賞は、東工大関係者の研究や著述を奨励し、その優れた業績の栄誉を称えるもので、1917年に財団法人手島工業教育資金団によって設けられました。手島工業教育資金団は、東工大の前進である東京工業学校及び東京高等工業学校の校長を25年間にわたって務め、日本の工業教育の進展に多大な貢献をした手島精一校長の退官にあたり、その功績を記念し、1916年に政財界、教育界の名士が発起人となって設立されました。現在、同賞には、研究論文賞、博士論文賞、留学生研究賞、発明賞、若手研究賞(藤野・中村賞)、著述賞の6つの部門賞が設けられています。

受賞者インタビュー配信について

3名の受賞者には、それぞれリベラルアーツ研究教育院柳瀬博一教授がインタビューを行い、リベラルアーツ研究教育院サイトで動画配信を行うことを計画しています。
今回の受賞作のみならず、北村准教授の『24フレームの映画学』(晃洋書房、2021年5月刊行予定)や、近く刊行予定の、河村助教が構成主義のグラフィック論を翻訳した『革命の印刷所』(水声社)など、今後の著作や研究についても取り上げる予定です。

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