教育
2016年度から始まった東工大の新しい教養教育は、豊かな社会性・人間性をもって専門的な知を実社会で活かしていくことのできる、志ある人材を育成します。学士課程入学直後からの小グループでのディスカッション、プロジェクト発表に始まり、仲間と刺激を与え合いながら、高い問題意識のもとに、優れたコミュニケーション能力を持って世界へと発信し、実現していく力を養っていきます。
また人文学、社会科学、外国語、ウェルネス等の広範な分野に触れることで、多様性に満ちた現代社会の中での自分の立ち位置を明確化していきます。学士課程、修士課程及び博士後期課程の専門教育と教養教育をダイナミックに組み合わせて、将来社会を牽引する、創造性溢れた魅力ある人材の育成を目指します。輝ける原石である学生の潜在性を揺り動かし、学修して良かった、楽しかった、ためになった、成長したと実感できる、そんな知的好奇心を満足させる教養教育を提供しています。
「東工大立志プロジェクト」は、学士課程入学直後に全学生が履修する必修科目です。教養教育を、各自のゴールに向かって志を立てるプロジェクトととらえ、そのための自己発見と動機付けを行う科目です。講堂での大人数講義と、少人数でのグループワークを交互に行います。グループワークでは、自ら考え、問題を発見し、他者に表現することを通して、コミュニケーション・プレゼンテーションのスキルを高めます。
「教養卒論」は、3年目に履修する学士課程教養教育の出口となる科目です。教養教育では、ひとりひとりが自分の目的にあった「学びのストーリー」を描きます。これまでの教養教育で何を学んだのか、またそれは今後の自分のビジョンにとってどう活きてくるのかをレポートにまとめます。執筆は、クラスの仲間や修士課程の学生のピアレビューをうけながら行います。
「リーダーシップ道場」は、修士課程1年目の科目です。仲間の能力を最大限活かしながら目標に向かってチームを導くリーダーシップ力を身につけます。リーダシップ道場履修者のうち、特定の要件を満たした学生は、身につけた能力を活かして学士課程教育に貢献しながら、自ら学んでいきます。「ピアレビュー実践」では、教養卒論執筆をサポートします。さらに、「ファシリテーション実践」では、東工大立志プロジェクトのグループワークをファシリテートします。
東工大の教養科目の最終地点にあたる博士後期課程学生向けの「越境型教養科目」では、最先端の研究の「種」や高度な教養的知識を、グループによる研究や発表を通じて共有します。自らの専門分野に限定されることなく、先端的・学際的な研究動向に目を向け、多様なバックグラウンドを持つ異分野の研究者と協力して、博士後期課程全体の「知の交流」を促進する場を創造していきます。
「文理共創科目」では、毎回、各分野の第一線で活躍するゲストを招き、研究会方式で授業を行います。ゲストによる研究発表とディスカッション、受講生によるグループワークを行います。研究会を通じて、受講生とともに新領域の開拓を模索します。
博士後期課程まで続く東工大の教養教育では、各自のゴールに向かってひとりひとりが自分の目的に即した科目を選択しながら、「学びのストーリー」を描いていきます。