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量子センサの実用化と呼吸ヘルスケアの2社へ東京科学大学認定ベンチャーとして称号授与

東京科学大学最初の認定ベンチャー称号

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2025.02.03

東京科学大学(Science Tokyo) から、2024年10月の東京工業大学及び東京医科歯科大学の統合後初めて「東京科学大学認定ベンチャー」称号を授与しました。

東京科学大学認定ベンチャー(Science Tokyo Venture)

東京科学大学認定ベンチャーはScience Tokyoの研究成果、または人的資源等を活用しているベンチャー企業に、審査のうえ称号を授与する制度です。大学統合に伴い、研究成果や技術等の社会実装をさらに促進するため、旧大学の制度から称号授与対象を拡大し、新たな称号制度として開始しました。これを皮切りに、Science Tokyoの教育研究成果から世界を変えるスタートアップ企業の創出に向けた歩みを本格化させます。

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今回、称号を認定されたベンチャー企業は、株式会社Quantum Zero(代表取締役:藤崎伊久哉)と株式会社Vitalizar(代表取締役:大石裕)の2社です。

株式会社 Quantum Zeroは、本学博士課程に在籍する藤崎氏が、科学技術振興機構(JST)光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)において東京科学大学 工学院 電気電子系 波多野睦子研究室が創出したダイヤモンド量子センサの研究成果を実用化するために設立したベンチャー企業です。ダイヤモンド量子センサは、従来技術では検出が困難だった微弱な磁場・電場・温度等を量子技術を用いて計測・可視化するセンサであり、このセンサを製品開発することにより、多くの産業分野(製造業、医療、宇宙、インフラ等)において、今まで実現ができなかった正確・迅速・安全な検査・診断・モニタリングを行い、様々な場面での安心と快適を提供します。

株式会社 Vitalizarは、東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 運動器機能形態学講座の二村昭元教授の運動器の形態と機能に関する研究知見を用いて、人々を身体・精神の不調の悩みから開放するために設立したヘルスケアベンチャー企業です。「呼吸」という生化・生理学的側面のみならず、心理や循環器、運動器にも幅広く関連する現象を科学的に検証していき、その第一歩として、これまで目に見えなかった理学療法士や柔道整復師、アスレティックトレーナー、ヨガトレーナーが実施する呼吸ケアやエクササイズによる呼吸運動の変化をたった1分で可視化するアプリを開発・販売します。

関係者のコメント

東京科学大学認定ベンチャー第1号
株式会社 Quantum Zero 代表取締役 藤崎伊久哉

株式会社 Quantum Zero 代表取締役 藤崎伊久哉さん

ダイヤモンド量子センサは量子力学をベースとした高性能なセンサです。私はその学理的な面白さはもちろん、多くの社会的な課題を解決できるという部分に惹かれ研究をしてきました。今まで容易に得られなかったこの世界に存在する情報の数々が、本技術の実用化を以ってアクセス可能になることで多くの方のお役に立てるという期待、そしてその未来に胸を膨らませながら、株式会社Quantum Zeroを成長させていきたいと思います。

東京科学大学認定ベンチャー第2号
株式会社 Vitalizar 代表取締役 大石裕

株式会社 Vitalizar 代表取締役 大石裕さん

昨今、呼吸は世界中で研究され、心身の健康に与える影響が明らかになりつつあります。その一方で、生活者は歩行と食事には気を遣えど「どう呼吸するか」を気にしていないのが現状です。歩行や食事と異なり、いつでもどこでも実施できる手軽な健康活動である呼吸。これを科学的・客観的な目線で人々に分かりやすく伝え、社会のヘルスケアに少しでも寄与したい。こういった想いで、二村教授と共に全力で、かつ柔軟に取り組んで参ります。

東京科学大学 学長 田中雄二郎

東京科学大学 学長 田中雄二郎

東京科学大学 学長 田中雄二郎

Science Tokyoは、「未来を担う人材を生み出す大学」です。研究を行い科学の知識を創造するだけでなく、そこから生み出される価値を社会に定着させられる人材を生み出します。

今回、東京科学大学認定ベンチャー第1号となった株式会社Quantum Zeroは、科学の知識を創造する人材となるべく本学博士課程に進学した藤崎さんが、そこで国家プロジェクトQ- LEAP にも携わり研究した量子センサの成果を、自ら実用化し社会課題を解決していこうと立ち上げたスタートアップ企業です。Science Tokyoが目指す姿を象徴する事例といえます。第2号ベンチャーである株式会社Vitalizarは、本学二村教授がもつ医療現場の知見と、医学×情報工学のサイエンスを活かし、実社会で人々の幸せに貢献しようと立ち上がったスタートアップ企業です。

統合前の両大学では合わせて187社のベンチャー企業に称号を授与しており、今回の2社はこれらに続くものですが、Science Tokyo自身が生まれたてのベンチャーのようなものと考えています。失敗を恐れずこれまでにない新しい一歩を踏み出そうとする革新的なベンチャー企業の創出と育成を推進していきたいと思います。

今後、東京科学大学認定ベンチャーが、科学の力で善き未来を創っていくよう、その成長を支援するとともに、次なる革新的な挑戦を促進するための取り組みを強化してまいります。

お問い合わせ先

東京科学大学 イノベーションデザイン機構 副機構長/特任教授

進士 千尋

E-mail : venture@sangaku.titech.ac.jp

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