生命理工学系 News
6月28日、大岡山キャンパス緑が丘6号館の緑が丘ホールにて、JCHM第5回シンポジウム及び総会が「日本人腸内環境の全容解明と産業応用プラットフォーム」をテーマに開催されました。
JCHMは、日本ヒト共生菌叢研究協会(Japanese Consortium for Human Microbiome)の略称です。
ヒトの腸内には 1,000種100兆個体の微生物が共生していると言われ、 それらの腸内細菌の乱れは多くの疾病に関わっていることが知られています。 欧米では腸内細菌解析の重要性が早くから認識されており、 大型予算が割り当てられて多くの研究者が携わっていることから、 日本においても日本人腸内環境の全容解明は急務と言えます。 そこで、東京工業大学は日本人腸内環境の全容解明をテーマに掲げ、 日本人腸内微生物データーベース構築による「日本人固有の腸内環境及び腸内代謝系の発見」と 「疾病マーカーの発見」を目指したプロジェクト活動を推進しています。
JCHMは、当研究に関心を持つ関係機関・団体・企業との連携によるコンソーシアムです。本学生命理工学院 生命理工学系の山田拓司准教授(生命理工学コース主担当)が代表を務めています。
5回目となる今回も、腸内環境を中心とする研究とその応用、最新の成果と今後の展望について、学内外の先生による講演がありました。学内外含め110名の研究者、協賛企業や本学学生が参加しました。
シンポジウムに先立ち、午前中には菌叢解析パイプライン※の実践をテーマに、ワークショップを開催しました。今回は初級者が解析の第一歩を踏み出す機会を作りたいと考え、参加者には自身のPCを持参のうえ、臨んでもらいました。ワークショップには本学学生やパートナー企業に勤務している方、研究機関に所属する方などさまざまな参加者が揃いました。
※菌叢解析パイプラインとは、菌叢(きんそう。細菌の集団)を解析する手段のこと。
また、シンポジウムの冒頭では、JCHM代表の山田准教授がJCHM総会の昨年度の活動報告を行った後、JCHMパートナーへの謝辞を述べ、さらに今後の抱負や今後の展開について説明を行いました。
引き続き、以下の講演を開催しました。
シンポジウム終了後は、講演者を囲んで懇親会が行われました。参加者同士、熱心な意見交換が行われ、活気ある雰囲気の中、閉幕しました。
リピーターの多いシンポジウムであり、今回も参加者からは大変充実した内容で有意義であったとの感想を数多くいただきました。
JCHMは今後も定期的にシンポジウムを開催し、パートナー同士の連携を深め情報共有と研究推進の場を提供していきます。
このイベントは東工大基金によりサポートされています。