リベラルアーツ研究教育院 News

理工学系と医歯学系、自分の関心から広がる探究

~「教養卒論」「教養セミナーⅡ」優秀論文執筆者による初めての合同発表会~

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2026.09.02

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2025年度「教養卒論」(理工学系)と「教養セミナーⅡ」(医歯学系)の優秀論文執筆者による発表会が、2026年6月15日(月)に開催されました。両学系の優秀論文執筆者が初めて同じ舞台に立ち、あわせて16名が約5分間のプレゼンテーションを行いました。

教養卒論(2025年度)優秀賞受賞者と論文タイトル

■教養卒論・教養セミナーⅡとは

理工学系の学生が学士課程3年次に必修で履修する「教養卒論」は、自分の専門分野やこれまでの学びと経験を題材に、その社会的な意味や影響について自ら主題を設定し、5,000字から10,000字の論文にまとめる授業です。週2回の開講で、オンデマンド動画でライティングスキルを学ぶ回と、学生同士や大学院生レビュアーと原稿を読み合うピアレビューの回とで構成され、学士課程学生・大学院生・教員が学び合う「学びのコミュニティ」となっています。
一方、医歯学系の学生が履修する「教養セミナーⅡ」も教養教育の集大成として位置づけられています。学科専攻混成の7~8名程度の少人数セミナー形式で、倫理・法・社会に関わる課題 (ELSI) をテーマに、月1回・全8回の授業と夏休みの調査を通じて論文を執筆する点に特徴があります。

身近な疑問を出発点に、専門分野の枠を超えて探究する

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冒頭の挨拶で室田真男リベラルアーツ研究教育院長は、両学系で執筆される論文は専門課程の中で執筆する卒業論文とは異なり、教養教育の集大成として位置づけられていること、これから論文を書く学生に向けて失敗を恐れず自分にとって大切なテーマを思い切って探究してほしいことを伝え、理工学系と医歯学系が初めて合同で発表する今回の機会への期待を語りました。

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続いて三ツ堀広一郎教授(教養卒論ワーキンググループ主査)は、教養卒論が単なるアカデミックライティングの習得にとどまらず、自身の学びや経験と結びつけて語る「パーソナルライティング」の要素もあわせ持つ科目であることを紹介。学生同士や大学院生レビュアーとともに原稿を読み合うピアレビューが、授業の大きな柱になっていると説明しました。

また藤井達夫教授(教養セミナーⅠ・Ⅱ運営ミーティング主査)からは、医歯学系の学生が学科専攻混成の少人数クラスで、ELSIをテーマとした論文にじっくりと取り組む様子が紹介されました。

※ELSI:「Ethical(倫理的)」「Legal(法的)」 and「Social (社会的)」「Issues(課題)」の頭文字をとったもので、科学技術の発展によって生じる「倫理・法・社会」に関する問題を考える枠組み。医歯学系の学生はELSIを中心テーマに少人数のセミナー形式の授業を受け、論文に取り組むことになっている。

ひとつの問いから、幾重にも重なる考察へ

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発表された論文のテーマは多岐にわたりました。期末試験における不正行為への対応策を題材として、社会学者ニクラス・ルーマンの信頼論をもとに大学における学生への信頼のあり方を考察した発表や、新たなタンパク源として注目される培養肉に対するハラール食としての受容可能性についての検討、さらに旧暦の仕組みや街の地形と月の見え方との関係から「十五夜の月は満月である」という認識がどのように定着したのかを読み解いた発表など、いずれも自分にとって身近な疑問を出発点に、それぞれの専門の枠を超えて考察を深めていく姿が印象的でした。

※ハラール:イスラム教の教えにおいて「許されている(合法な)」という意味を持ち、特に食品においては豚肉やアルコールなどを含まず、適正な方法で処理されたもののことを指す

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また、秋の変化をテーマにした発表では、気温データの分析だけでなく、「読書の秋」という通念についての文化的な考察とを組み合わせ、単一の視点にとどまらない厚みのある発表となっていました。さらに、オウム真理教に関する言説分析を行った発表では、当時の記憶が現代のSNS上でどのように呼び起こされ、意味づけ直されているかを大量の投稿データから読み解いており、社会的記憶の持続性を考える上で示唆に富む内容でした。

発表後の質疑応答では、テーマ設定の背景や執筆の裏話なども語られ、会場は最後まで熱気に包まれていました。

理工学系の受賞論文を読むには

理工学系の優秀賞受賞者の論文を収録した優秀論文集は、リベラルアーツ図書室(大岡山キャンパス 西9号館E棟1階114号室)で閲覧いただけます(執筆者が掲載を許可した論文のみ収録)。

リベラルアーツ図書室 (大岡山キャンパス 西9号館E棟1階114号室)

開室日:月~金曜日 10時30分~13時30分、14時30分~17時 祝日・年末年始は閉室
開室日時は今後変わる予定がありますので、図書室ウェブサイトをご確認ください。

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