リベラルアーツ研究教育院 News
リベラルアーツ研究教育院でコミュニケーション論を担当する中野民夫教授が『学び合う場のつくり方—本当の学びへのファシリテーション』(岩波書店、2017年)で、令和3年度の手島精一記念研究賞著述賞を受賞しました。
対話や参加を重視した能動的な学びに注目が集まっている昨今、ワークショップなど「参加型の場づくり」に取り組んできた中野教授は本著書の中で、東工大で実践している立志プロジェクトのほか、参加型場づくりのさまざまな事例を紹介しながら、「ファシリテーション」を実践するための基本的なノウハウや、「本当の学び」とはどうあるべきか?について探っています。
今回の受賞について中野教授は次のようにコメントしています。
「手島精一記念と聞いて、手島先生のことを改めて調べました。江戸末期に生まれ、明治初めにアメリカに渡り、苦学しながら岩倉使節団の通訳などで欧米を周り、各国の工業の発展に驚いて日本の工業教育に尽力され、東工大前身の学校長を25年も務め、発展を牽引された方とのこと。そのような偉大な先人に由来する賞なのだと感銘を受けました。受賞した著書は2017年出版で、19年に応募した時は落選し3年間もキャリーオーバーされ、忘れていた今年になって受賞の知らせがあり驚きました。今年度で定年退職なので良い記念です。
大人相手のワークショップで培った参加型場づくりの技法ファシリテーションを、大学教育に応用するとどうなるか奮闘してきました。15年秋から新入生必修の立志プロジェクトのワーキンググループに入り、主に少人数クラスの基本案を担当しました。16年4月、リベラルアーツ研究教育院ができ、皆で準備した立志プロジェクトの最初のクラスが終わった直後、現院長の山崎太郎先生から「チョー楽しかった!」とメールの第一報が入り、皆が活気づいたことも書いています。
授与式では木内先生のスピーチが素敵でした。ILAにはユニークな人間がいることを、東工大内外に知っていただく機会でもあります。ILAの皆さんはぜひ応募してみてください」