リベラルアーツ研究教育院 News

佐藤准教授、森田准教授「東工大日本語予備教育」により令和2年度東工大教育賞優秀賞受賞

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2022.03.23

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院(ILA)日本語セクションで行われてきた「科目外活動を活かした学士課程入学前の東工大日本語予備教育の開発と運営」が高く評価され、このプログラムに携わってきた佐藤礼子准教授と森田淳子准教授が、令和2年度東工大教育賞優秀賞を受賞しました。それにあたり、2021年12月10日、東工大蔵前会館くらまえホールにおいて授賞式が行われました。


「ものつくり実習」の様子

「ものつくり実習」の様子

修了発表会の様子

修了発表会の様子

東工大日本語予備教育とは

「東工大日本語予備教育」は、韓国からの留学生が違和感なく本学の日本人学生とともに学ぶための準備をすることを目的とする、入学前の後学期週15科目ほどの集中コースです。「専門×日本語×ものつくり×科目外活動」を融合させた、東工大ならではのユニークな学習を行ってきました。2000年に、日韓交流のための「日韓共同理工系学部留学生事業」の一環として始まったもので、20年間で日本全体では合計2000名、東工大では150名の留学生を受け入れてきました。 授業科目は、大きく2つのカテゴリーから構成されています。「日本語・日本事情科目」では、学部レベルのアカデミック日本語を速習し、日本語・日本事情を学びます。また、「専門科目(数学、物理、化学、生物、英語)」では、学部レベルの専門科目の先取り学習や、科目外活動(ものつくり実習・化学実験・進学予定コースの研究室訪問)を日本語で行いました。


化学実験での様子

化学実験での様子

2018年度修了式

2018年度修了式

この日本語習得のプロセスの中で、日本と韓国の高校までのカリキュラムの違いを補完するだけでなく、学部教育の先取りを実現し、予備教育生の能力とモチベーションを高めることが出来ました。また、ものつくり教育研究支援センターや理学系化学実験室の協力を得ての科目外活動で、東工大の精神の基本である実験と実習を体験させることが出来たのも大きな成果でした。


佐藤 礼子 准教授のメッセージ

佐藤礼子准教授

佐藤礼子准教授

留学生たちに、どうやって日本語学習に興味を持ってもらうかを常に意識して工夫するとともに、学生たちが日本での新しい生活に馴染むことの手助けもしてきました。 留学生は、東工大で理工系の専門的な知識を身につけることを目標にしています。それぞれの学生の知的好奇心に訴え、興味のあるものを学ぶためのサポートをするのが東工大での「語学」だと考えています。その日本語習得のプロセスで、日本や日本語への理解を深めてもらえればと思っています。このプログラムで学び、東工大を卒業する留学生は、日韓の間を取り持つ役割を担うことになりますから、その活躍を期待しています。
運営にあたっては、東工大内の「ものつくり教育研究支援センター」、化学実験室、各研究室の先生方などの、深いご理解や継続的な協力を大変ありがたく思いました。また、TA(Teaching Assistant、授業などで教員をサポートする学生)の意識やレベルも高く、こういった組み合わせで続けてこられたことは、東工大ならではだと思います。
この「東工大日本語予備教育」は20年の規定の期限を終えて一旦終了しましたが、また、同じような取り組みが出来るといいですね。日本語初学者向けの「日本語研修コース(Intensive Japanese Course)」の制度は継続して受講生を受け入れています。参加をお待ちしています。(談)


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