リベラルアーツ研究教育院 News
科学技術創成研究院、リベラルアーツ研究教育院の若松英輔教授が、NHK Eテレ「こころの時代~宗教・人生~」にシリーズで出演中です。今回は、旧約聖書「コヘレトの言葉」をテーマに、この書を30年にわたって研究する牧師・東京神学大学教授の小友聡氏と若松教授が語り合います。
「コヘレトは言う
空の空
空の空
一切は空である」
「コヘレトの言葉」はこのように始まります。
旧約聖書の中のごく短い書である「コヘレトの言葉」は、紀元前5〜2世紀に書かれました。聖書とは思えないような虚無的な表現が多く、難解な「異端の書」とされてきましたが、苦難の時代を経て書かれたこの書は、「今を生きよ」と人生を肯定し、不安の多い現代の人々の心に響きます。明日に向かっての、希望の書とも言えるでしょう。
また、後世の芸術や文学にも影響を与え、ユダヤ教・キリスト教の信者にとってだけではない、文化の境界を超えた価値を持つものです。
今後、月に1タイトル(第3回から第6回まで、本放送と再放送を合わせて月2回)の放映が2021年3月まで続きます。放映日時は、NHKの番組公式サイトで確認できます。
現代に生きる人々は、ともすれば経済的な合理性や科学的思考に頼りがちです。
しかし、判断に迷い不安を覚えるとき、先人たちのことばや宗教が示す生きるための指針は、その苦しみを解決へと導いてくれます。この番組では、それらを手がかりに人の心を深く見つめ直していきます。