生命理工学系 News
東京工業大学 情報理工学院 情報工学系の瀧ノ上正浩准教授(生命理工学コース副担当)が、化学とマイクロ・ナノシステム学会の令和2年度奨励賞を受賞しました。表彰式と受賞講演は、2021年5月17日(月)・18日(火)に開催される同学会の第43回研究会にて行われる予定です。
一般社団法人マイクロ・ナノシステム学会は、化学・生命科学・医学などの物質や生命現象を対象とする学問分野と、マイクロ・ナノスケールの材料・加工、計測・制御、システム構築などを対象とする工学技術を融合することで、新たな学術領域・技術分野を開拓し、それらを応用した新規産業の創出を目指す学会です。同賞は、化学とマイクロ・ナノシステムに関連する顕著な研究業績に対して贈られます。
この度、化学とマイクロ・ナノシステム学会 奨励賞を受賞させていただき、大変光栄に存じます。ナノ・マイクロテクノロジーという学際的な研究分野における研究活動を、長年続ける環境を与えてくれている共同研究者や、研究室の学生・卒業生、また、今まで指導をして下さった先生方に感謝いたします。
受賞理由は「バイオソフトマター物理による分子ロボティクスの創成」で、情報を持った柔らかい高分子材料であるバイオソフトマターを設計・制御し、人工細胞や分子ロボットといった非平衡で動的なシステムを、ボトムアップ的に構築するための基礎研究を評価していただきました。特に、DNAナノテクノロジーとマイクロ流体工学という異分野を融合し、新たに分子ロボティクスの研究分野を立ち上げてきた研究活動に関して評価を頂いたものと考えています。
このような基礎科学に注目していただいたことは、当研究室の研究を今後さらに発展させる上でとても励みになります。今後も、バイオソフトマターに関する、物理学・化学の基礎を固めながら、科学的・工学的に価値のあるシステムの構築を目指していきたいと思っています。本質的には、「生命とは何か?」という普遍的な科学の問いに、物理学・化学の立場で迫っていけるような研究に発展させたいと思っています。