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菅原雄介准教授が研究責任者を務める鹿島建設・東工大・熊本大のプロジェクト「パラレルワイヤ機構を利用した建物外壁タイル自動診断システムの開発」
菅原雄介准教授(機械コース 主担当)が研究責任者を務めるプロジェクト「パラレルワイヤ機構を利用した建物外壁タイル自動診断システムの開発」(鹿島建設株式会社、東京工業大学、熊本大学)が、科学技術振興機構(JST)研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(本格型)に採択されました。
建物外壁タイルの剥離は第三者災害の危険があるため定期診断が義務付けられており、これには主に打診法が用いられています。これは検査者がハンマーで検査箇所を叩きそれにより生じる音を耳で聞きタイルの剥離・浮きがあるか診断する手法です。この手法では、高所での作業を伴い危険であること、検査結果が検査者のスキルに依存し精度が安定しないこと、検査に時間を要することなどが問題となっています。
このプロジェクトでは、熊本大学の森和也教授らの技術である水撃音響法による検査技術を用いて外壁タイルの剥離診断を自動で行うシステムの開発を目的としています。とくにこの検査装置を建物外壁に対して広範囲に高精度に位置決めするために、ロボット機構の一種であるパラレルワイヤ機構を用いることが本プロジェクトの特色の一つです。
パラレルワイヤ機構は、複数のワイヤでエンドエフェクタを引っ張りあうことで位置決めを行うパラレルメカニズムの一種で、運動を伝達する可動部がワイヤのみであるため、非常に広い作業領域を容易に実現可能です。このプロジェクトでは30 m程度の建物外壁面をカバーするパラレルワイヤ機構を計画しており、完成すれば国内最大級のロボットとなります。