未来

世界最高性能のジェットエンジンを目指して

President, Rolls-Royce Japan
SVP Strategy and Future Programmes

神永 晋 さん

神永 晋さん

現在の仕事について教えてください。
航空機用ジェットエンジンの開発をしています。航空機は開発に5年以上、運用を始めてから30年以上とプロジェクトのサイクルが非常に長い製品です。そのため、常に10年以上先の世界の動向を予測しながら、製品戦略を考えていく必要があります。現在の仕事は、次世代のエンジンを2020年頃に運用開始できるよう、エンジン中核部分の設計と実証試験を行うことです。構想段階では上手く行くと思っていたものが、実際に詳細設計を進めるといくつもの壁にぶつかり、一つひとつ解決していくということの積み重ねで、2年がかりでようやく設計が固まり、部品の製造の最中です。チーム全員の知恵を合わせて製品を作り上げていくこと、そして自分のアイディアが大きな製品の中に生きていることがやりがいです。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
ジェットエンジンは大きな機械の塊ですが、ひとつの製品を設計して作り上げるためには、機械工学の各分野はもちろん、制御理論、化学、さらには大きいプロジェクトを管理するためには財務・経営などの知識も必要になります。東工大のカリキュラムは幅の広い基礎教養と深い専門教養がバランスよく組み合わされており、複合的な問題の全体像をつかむために役立っています。実際のものづくりでは現実が理論どおりに行かないことが多々あります。設計の段階で問題を感覚で理解する嗅覚と勘は机上の理論に偏り過ぎない学生実験・実習それから研究室での研究を通じてからだで学んだことが活きていると思います。
今後の目標を教えてください。
当面の目標は今の開発試験を無事に完了し、技術を応用したエンジンを世界最高性能のエンジンとして世の中に送り出すことです。改良の積み重ねにとどまらず、新しい技術を新しい発想で製品に組み込んでいくことが重要であり、楽しみでもあります。また、最近は飛行機での移動がごく当たり前になってきましたが、今一度飛行機に乗ること自身が多くの人にとってわくわくする、旅行の楽しみの一部になる、そんな体験のできる製品を作っていきたいと思っています。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
自分が本当に興味があるものは何なのか、視野を幅広く持って探してください。色々な経験を通して意外なものに興味があることが発見できるかもしれません。そして、その何かが見つかったら、できることをやるのではなく、やりたいことができるように是非頑張って勉強してください。分かったようなことを言いますが、自分もいまだに発見と勉強の繰り返しです。

かみなが・すすむ(神奈川県出身)

1997年
東京工業大学 第4類入学
2001年
東京工業大学 工学部機械宇宙学科 卒業
2003年
東京工業大学 大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻 修士課程修了
2006年
東京工業大学 大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻 博士後期課程修了 博士(工学)学位取得
2006年
三菱重工業株式会社 入社
2013年
Rolls-Royce plc 入社
2021年
Rolls-Royce Japan 代表取締役社長就任

※記事の内容は取材当時のものです

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