機械系 News
液体金属技術による海水淡水化と有価資源回収
2022年10月1日に『豊かな海を次世代に引き継ぐ』をテーマにマリンテックグランプリ2022が東京都墨田区のセンターオブガレージにて開催され、科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所の近藤正聡准教授(機械系 原子核工学コース 主担当)が最優秀賞と旭有機材賞をダブル受賞しました。
株式会社リバネスが主催するマリンテックグランプリは、リアルテック領域(海洋に関わるものづくり、モビリティ、IoT、人工知能、素材、エネルギー、食糧等)の技術シーズと起業家の発掘育成を目的としたプログラムです。未解決の課題“ディープイシュー”に取り組む研究者に対して、アーリーステージからグローバルを見据えることを促すとともに、海外展開を促進するものです。
近藤正聡准教授は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の官民による若手研究者発掘支援事業(若サポ) などのサポートを受けながら、核融合炉などのエネルギープラント分野において研究されてきた液体金属技術を、海水の淡水化と海水に含まれるナトリウムやマグネシウム、リチウムなどの有価資源の回収へ応用する研究を実施しています。この技術が確立されれば、世界中で深刻化する水不足の課題を解決できる事に加え、海水内に低い濃度で含まれている金属資源などを回収できるようになります。
近藤正聡准教授はマリンテックグランプリ2022において、深刻な水不足の状況を背景として説明しながら、革新的な海水淡水化技術の必要性を訴えました。その上で、現状の研究成果と10年以内にパイロットプラントを建設する計画を説明しました。こうした内容が審査員に評価され、旭有機材賞と最優秀賞を受賞しました。表彰式では、賞状とトロフィー、賞金に加え、現在研究している海水淡水化技術を事業化する際に投資を受ける権利が授与されました。