機械系 News
西迫貴志准教授(機械コース 主担当)が、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めたとして、令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞しました。文部科学省が4月8日、発表しました。表彰式は4月20日、文部科学省(東京都千代田区)で行われました。
科学技術賞(開発部門)は、社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発もしくは発明を行った者が対象です。令和4年度は18件(60名)が受賞しました。
東京工業大学においては、西迫貴志准教授を含む12名の関係者が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました。受賞者の詳細については、東工大ニュース:「東工大関係者12名が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞」をご覧ください。
従来、液液分散系であるエマルションは機械的分散法により広く製造されてきましたが、均一に径の揃った単分散エマルションの生成やその径の柔軟かつ精密な制御は困難でした。そこで、T字や十字状の微細な流路を用いてその課題を解決できないか?と考えて始めたのが、マイクロ流路を用いた液滴生成技術の研究です。もう約20年前のことですが、自身の仮説通りに単分散液滴が生成される様子を高速度ビデオカメラの映像で初めて確認できたときの興奮は今もよく覚えています。
その後、ありがたいことに早くから国内外の企業に興味をもっていただき、今日に至るまで数多くの共同研究の実施、さまざまな形での実用化がなされてきました。本技術は材料生産技術としての実用化が最も有望だろう、という当初の想定を大きく超えて、次世代DNA分析や細胞解析機器として今日顕著に社会実装が進んでいることは、研究者として望外の喜びです。
本技術がこのような発展を遂げ、今回このような栄誉ある賞を受賞できたのは、恩師の先生方をはじめとして、大学や企業で研究開発に関わっていただいた方々、知財活用担当の皆様のご指導・ご尽力のおかげです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。