機械系 News
阪口基己准教授と志村祐康准教授がそれぞれ平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞しました。
「若手科学者賞」は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としています。
ジェットエンジンや発電用ガスタービンの高温材料として用いられるNi基耐熱超合金の破壊プロセスには、高温環境での複雑な現象が絡み合い、これまでの破壊力学では体系的な理解が困難でした。
本研究では、高温での材料強度論と組織形成論についての基礎検討を経て、き裂の力学を議論してきたこれまでの破壊力学に、結晶学的変形を特徴づける結晶塑性学と組織形成論を扱う材料物理化学を融合させ、き裂の発生と進展過程におけるさまざまな現象を解明しました。特に、き裂先端の変形を結晶塑性解析により精緻に解析しながら、結晶学的な変形メカニズムと破壊力学的なき裂進展プロセスとの合理的な関連づけに成功しています。
乱流予混合火炎は多くの工業機器で用いられていますが、現在でもその火炎構造と燃焼特性には未解明な点が多く残されています。乱流予混合火炎と燃焼器内を伝播する圧力波が干渉することで、燃焼振動等の不安定現象が発生し、より高い熱効率の燃焼条件の実現は困難です。
本研究では、乱流予混合火炎を対象とした世界最先端の高精度高空間分解能多平面レーザ計測法を実現するとともに、世界最大級の直接数値計算を行い、乱流微細渦と大規模渦が火炎構造と燃焼特性に与える影響を明らかにしました。また、燃焼振動の発生要因となる熱発生率分布の変動が主に大規模渦により引き起こされることをに着目し、大規模渦の制御技術の開発を行いました。