リベラルアーツ研究教育院 News
リベラルアーツ研究教育院で心理学を担当する永岑光恵准教授が、自身の専門である“ストレス心理学”をテーマにした本『はじめてのストレス心理学』を2022年9月に出版しました。
急速に時代が変化していく現代社会においては、誰もが大なり小なりストレスを抱えているものですが、「果たして自分が感じているストレスとは何かを理解し、適切に対処している人はどれくらいいるのだろうか?」 そんな疑問が執筆の動機だったと語る永岑准教授。今回の執筆には約3年を費やしたといいます。
─自分の持つストレスについて、一度立ち止まって考えるきっかけを提供したかったというのが執筆の動機だそうですね。
─永岑先生はストレスに魅せられているそうですが、なぜでしょうか。
永岑「学部の卒業研究から始まって、大学院課程、留学中や就職先までずっとストレスを研究してきました。研究を続けていく過程の中で、ストレスの生理学的、心理学的なメカニズムを明らかにして心身の関係を読み解くということは、自分自身だけでなく、他者への理解や現代社会への理解にまでつながることなのだということを実感しています。単純にストレスを悪いものと決めつけることなく研究を続けることで、さまざまな重要な気づきが得られます。特に心理学は私たちの日常生活と密接に関わっている学問ですから、本当に興味が尽きません」
─ 東工大での授業経験も、本書の執筆に役立っているそうですね。
永岑「ILA独自のプログラム『立志プロジェクト』を担当するために身につけたファシリテーション技術によって、より洗練されたグループワークを実施できるようになり、自分自身との対話、他者との対話を通した学びの大切さをワークを通じて学生達から引き出せるようになりました。その経験は本書の構成を考える際や執筆スタイルに生かされたのではないかと思っています」
─最後に、先生ご自身のストレス対処法を教えてください!
永岑「よく受ける質問です。どんなストレスにも効果的である、という対処法はありませんが、人に話を聴いてもらう、相談する、という対処法は比較的よく使っています。本書では、これまで意識せずに使ってきたご自分の対処法に気づき、整理し、さらにアップデートできるようなワークがあります。ぜひ手に取ってもらい、ご自分のオリジナルな対処法のレパートリーを獲得してください」