リベラルアーツ研究教育院 News
ホームカミングデイ2021のミニシンポジウムをYouTubeで公開
2021年5月22日、東京工業大学ではオンラインを中心とした「ホームカミングデイ2021」が開催され、リベラルアーツ研究教育院(ILA)では、山本貴光教授、毛塚和宏講師によるミニシンポジウム「リベラルアーツへのいざない」を催しました。その文理の境界を超えた内容を、ILAオンライン講座第2回として、YouTube(約2時間10分)で公開することにいたしました。
ホームカミングデイは、東工大卒業生に「東工大の今」を知らせ、また、地域や一般の方も含め、東工大に関わる全ての方々に交流していただくイベントです。今年で9回目になりますが、今回は、Zoom開催であったこともあり、遠隔地からの参加や学生の参加が増え、従来に比べてはるかに多い視聴者を迎えてのものとなりました。
毛塚講師は、教育や家族に焦点を当て、「社会学」を数理モデルと統計で解き明かす研究を行っています。東工大では統計学を教えています。 今回は、ユーザーの視点から、統計学の構造や、統計学が「最強」になる場合、逆に「最弱」になる場合を語りました。
米国大統領選の予測とその結果、犯罪率の推移に何が関連しているかなどを具体例として挙げた明解な説明は、統計学の知識がない参加者にとっても興味深い内容でした。
また、統計を使いこなすには、適切な分析と解釈が欠かせないこと、自らの立場をはっきりとさせながら周辺知識を仕入れることの必要性を述べ、それを幅広く支える教養の重要性とその身につけ方を語りました。
山本教授の専門分野は、学術史とゲーム学です。ゲームクリエイターから文筆家となり、東工大では哲学を教えています。 講演は、ゲーム作家ならではの画面とQ&Aで始まり、いかに基礎的な教養が大切かを語りました。そして、学問の歴史を辿りつつ、J・S・ミル『大学教育について』、西周『百学連環』などを紹介し、学問は個別に独立しているのではなく相互に関連しあっていること、学術のマップ(相関図)の中でそれぞれの位置づけを捉えた上で学ぶ必要があることを述べました。 さらに、自らが考える21世紀の最新版の百学連環(Encyclopedia)とはどのようなものか、それにどう取り組んで行きたいかをビジュアルを交えて語りました。