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鈴木悠太准教授が『教師の「専門家共同体」の形成と展開』で日本学校教育学会賞を受賞

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2020.04.09

リベラルアーツ研究教育院の鈴木悠太准教授が、著書『教師の「専門家共同体」の形成と展開―アメリカ学校改革研究の系譜―』(勁草書房刊、2018年2月発行)で、「日本学校教育学会賞」を受賞しました。

鈴木悠太准教授のコメント

鈴木悠太准教授

拙著『教師の「専門家共同体」の形成と展開―アメリカ学校改革研究の系譜―』に対し、日本学校教育学会より「日本学校教育学会賞」を受賞いたしました。同学会は「教育の理論と実践の発達」という重要な課題を掲げる学会であり、そうした学会より学会賞を賜ったことに特別の喜びを感じております。
本書は、東京大学より博士号を取得した博士論文に加筆・修正を施した論文であり、2018年に文部科学省の科学研究費補助金・学術成果公開促進費(学術図書)の助成を受け、勁草書房より公刊にいたった書であります。
「教育の理論と実践の発達」はどのようにして可能になるのでしょうか。教育の理論と実践における葛藤や緊張や相克の関係に対して、私たちはどのように対峙すればよいのでしょうか。教育における理論と実践の関係は決して一筋縄ではいかないものであります。私は本書においてアメリカ学校改革研究の系譜を描くことを通してその問いに向き合い続けました。
本書が照準を定めた、スタンダード大学のミルブリィ・マクロフリン(現在は名誉教授)は彼女のキャリアの途中で、自身の態度を明確にする場面がありました。それは、学校改革の「現場の声を聴き、現場から学ぶ」という態度でした。この態度そのものが、教育の理論とも教育の実践とも葛藤し緊張し相克する関係にあるということが鍵を握っていると私は考えます。
教育についての真っ当な議論が軽んじられている今、私は、一人の学徒として、「教育の理論と実践の発達」の旗を掲げ続けることを、学校改革の「現場の声を聴き、現場から学ぶ」態度を守り抜くことを、拙著への受賞を機に誓いたいと思います。

『教師の「専門家共同体」の形成と展開―アメリカ学校改革研究の系譜―』について

『教師の「専門家共同体」の形成と展開―アメリカ学校改革研究の系譜―』

『教師の「専門家共同体」の形成と
展開―アメリカ学校改革研究の系譜―』

帯の一節を紹介します。

「学校改革と現場研修への貴重な示唆
アメリカにおける学校改革は30年近く、いくえにもわたる困難な現実に直面してきた。その現実の裏側に潜む改革の希望を抽出することに挑戦した本書は、学校の改革がはらむ複雑で複合的な課題に対する私たちの見方を確かなものとする数々の知見を提供している。 
佐藤学(学習院大学教授・東京大学名誉教授)」

日本学校教育学会賞について

<日本学校教育学会概要>
日本学校教育学会は、昭和60年9月15日、学校教育に関する実践と理論の緊密化さらには両者の統合を目指す実践者と研究者によって創立されました。学校教育の実践と理論の統合を課題として、学校教育の実践を理論的に検証し、また一方で学校教育に関する理論の実践上の有効性と限界を検証し、新たな実践上および理論上の地平を切り拓いていくことを目指しています。

<日本学校教育学会賞>
日本学校教育学会賞は、当該学会会員の研究を奨励し、学会全体の学問的発展に資するための賞で、 会員が著した著書の内、その研究業績が著しく優秀である会員に対し、年次研究大会の総会において与えられるものです。 授賞対象は、原則として単一の著者による学校教育に関する単行本と定められています。

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