リベラルアーツ研究教育院 News
7月3日、教育革新センターとリベラルアーツ研究教育院が推進しているGSA(Graduate Student Assistant、大学院生アシスタント)プログラムの4回目となる認定証授与式が、大岡山キャンパス西9号館にて開催されました。
GSAは教員と協働で学士課程の教育活動などに携わる大学院生アシスタントのことで、文部科学省の支援事業である「学びのコミュニティ」をサポートします。「学びのコミュニティ」は、構成員の学士課程学生、大学院生、教職員が相互に学びあうことを目指しており、その中で、GSAは授業等を通じて学士課程学生の学びを支援し、自らの学びを深めていきます。
社会の中でチームの力を最大限発揮するためには、従来の「指導」型リーダーシップではなく、「支援(ファシリテーション)」型リーダーシップや人としての総合力が不可欠です。GSAプログラムでは現在3つのコースを設けて、生涯に渡って非常に重要なこれらの力を、大学のカリキュラムのなかで身に着けることができる仕組みを提供しています。学生の学びを支援するGSA-F(GSAファシリテーター)、学生の執筆活動を支援するGSA-R(GSAレビューアー)、オンライン教材を制作するGSA-D(GSAデベロッパー)のコースですが、いずれも試験の点数の良し悪しだけではなく、教職員や他の学生との関わりの中で自らやチームメンバーをどのように活かすことができるかが評価されます。規定の条件を満たすと、学びのコミュニティの中でGSAとしての責務を果たした証として、教育革新センターから認定証が授与されます。
今回対象となったのは、今年度第1クォーターに開講した「リーダーシップアドバンス」の履修者です。「リーダーシップアドバンス」は、学士課程1年目の学生の必修科目「東工大立志プロジェクト」に教員と共に積極的に関わり、ファシリテーター型リーダーシップについて実践的に学ぶ修士課程科目です。この科目は、前年度に「リーダーシップ道場」でリーダーシップの基礎を学び、好成績を修得していないと履修することができないというハードルの高い条件がついている点でも特徴的です。今回は、この「リーダーシップアドバンス」で好成績を修得した24名のうち、出席者13名にGSA-F認定証が授与されました。
今年度新しく教育革新センター長に就任した井村順一教授は、一人ひとりへの授与を終えた後、後輩の学びに深く関わりながら自らも成長した学生達を称えました。
挨拶をする林教授
続けてリベラルアーツ研究教育院の室田真男教授から、学生達が「東工大立志プロジェクト」において学士課程1年目の学生と教員の間の橋渡し役として重要な役割を果たしたことついて、東工大立志プロジェクトの担当教員からも非常に高い評価を得ているとの報告が伝えられました。
同じくリベラルアーツ研究教育院の林直亨教授からは「GSA-F認定は、皆さんにとっては今すぐ役に立つものではないかもしれません。その価値は、皆さんのこれからの活躍にかかっていると思います。5年後、10年後に『東工大のGSA-F認定者は素晴らしい』という認知が広まり、後輩にとって価値あるGSA-Fとなるよう、ぜひ頑張ってください」という激励の言葉が贈られました。
いずれの教授からも「認定証を受け取ったことがゴールではない、むしろこれをスタートとして活躍し、後輩のロールモデルとして道を示してほしい」との熱い期待が述べられました。この認定証は単にプログラムを修了したという証ではなく、GSAプログラムが認めるファシリテーターとなった証であり、受け取った人はその能力を活かすことが求められているのです。
最後は学生代表からの大変頼もしい挨拶で締めくくられました。「授業を通して、他の人を信頼し、他の人に委ね、そして他の人と共に成長するというファシリテーター型のリーダーシップを学びました。関わった人すべてにとってプラスに働くこのスキルを活かして、今の日本、いや世界をより良くすることの手伝いができればと思います」
本プログラムは順調に成果を上げており、これまでに、GSA-F(GSAファシリテーター)36名、GSA-R(GSAレビューアー)40名、GSA-D(GSAデベロッパー)8名、合計84名の大学院生アシスタントが誕生しています。