生命理工学系 News
東京工業大学 研究・産学連携本部イノベーションデザイン機構(以下、Id機構)は6月27日、Venture Café Tokyoとの共催イベント「Tokyo Tech Startup Night 2024」を開催し、会場とオンラインで479人が参加しました。
オープニングではId機構の辻本将晴機構長のあいさつに続き、「第1回社会変革チャレンジ賞」の授賞式が行われました。この賞はスタートアップを通じた社会実装の促進を目的として若手研究者の優れた研究に光を当て、研究成果で世界を変えたい意欲を持つ研究者への支援を行うものです。多数の応募の中から選ばれた優秀賞5件、奨励賞10件の研究者が、益一哉学長より表彰を受けました。
安井伸太郎 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所 准教授
「環境循環型低コスト全固体電池」
三浦智 工学院 機械系 准教授
「直感的にロボットや乗り物を操縦できるコントローラ」
本田雄士 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 助教(ライフエンジニアリングコース 主担当)
「ポリフェノール構造分子を基盤としたバイオモダリティ送達システムの構築」
山田哲也 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 助教
「低温環境下における固体酸化物形燃料電池とリチウムイオン電池の共生」
木村健太郎 物質理工学院 応用化学系 助教
「低温CO2水素化・FT合成を可能とするCuMgFe型ハイドロタルサイトを基盤とした高機能触媒の開発」
テイ・シャク(Cheng Shuo) 環境・社会理工学院 融合理工学系 助教
「磁場アシストフロー電極を用いた微生物燃料電池の開発」
山本雅納 物質理工学院 応用化学系 助教
「多孔性グラフェン材料製造の技術実証」
アンバラ・ラクマット・プラディプタ(Ambara Rachmat Pradipta) 物質理工学院 応用化学系 助教
「内在性アクロレインを標的とした革新的がん診断法」
奥山浩人 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 助教
「迅速性と高感度を両立する膜型バイオセンサー」
森竹勇斗 理学院 物理学系 助教
「ジョーンズ行列光バイオセンサの実証と高感度化」
山口晃 物質理工学院 材料系 助教
「水熱電気化学による二酸化炭素の高級炭素化合物への変換」
イ・サンヨプ(李尚曄) 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 助教
「パターン印刷による低コスト・広帯域電波部材の開発」
三浦一輝 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 助教(ライフエンジニアリングコース 主担当)
「光による疾患治療を実現する分子標的型光線力学療法」
菅原勇貴 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 助教
「化学産業のパラダイムシフトをもたらす革新的電気化学触媒の創出」
シュ・ハク(朱博) 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 助教(ライフエンジニアリングコース 主担当)
「薬物放出制御のためのスイッチ型抗体薬物複合体の創出」
※「社会変革チャレンジ賞」の事業は、東京都の「⼤学発スタートアップ創出⽀援事業」の⽀援により実施。
Tokyo Tech Gap Fund※1 2023採択者による1年間の成果発表となるピッチセッションをはじめ、スタートアップを目指す人たちに向けた基調講演、Greater Tokyo Innovation Ecosystem(以下、GTIE)※2 GAPファンド2024に採択された研究者、東工大発ベンチャーAward2024参加企業の代表者によるピッチセッションが行われました。また、辻本機構長をモデレーターとして行われたディスカッションでは、大学発のスタートアップが世界に資するための課題と現状について議論が交わされました。
※1Tokyo Tech Gap Fund:東工大の技術シーズと事業化の間のギャップを埋め、技術シーズの実用化を目指す教員・学生に試作開発等の資金を提供し、事業化メンターと事業化ファシリテーターがチームを組み、必要なチーミング支援を行う。
※2GTIE(ジータイ):東京大学・東工大・早稲田大学を主幹機関とした『世界を変える大学発スタートアップを育てる』プラットフォーム。GTIE GAP ファンドは、GTIEプラットフォームに参加する大学の革新的技術シーズを核として国際展開を含む事業成長をする大学発スタートアップの創出を目指した研究課題の支援を行う。
伊原学 物質理工学院 応用化学系 教授
「世界初のCO2と炭素を使った大容量蓄電システムの実用化」
大西領 学術国際情報センター 教授
「デジタル技術による、環境と調和した未来社会サービスの実現」
荒井慧悟 工学院 電気電子系 准教授
「人類の知覚を広げるダイヤモンド量子センシング」※
山田哲也 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 助教
「⼿で持てる固体酸化物形燃料電池」※
※東京都の「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業」に採択された事業の報告。
山本貴富喜 工学院 機械系 准教授
「AI駆動型ACナノポア法による微生物AIセンサの事業化」
七田崇 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 神経炎症修復学分野 教授
「脳機能の完全回復を目指す治療薬の実現」
刑部祐里子 生命理工学院 生命理工学系 教授(生命理工学コース 主担当)
「新規ゲノム編集技術による医療への応用と事業化」
長野拓也 東京医科歯科大学 腫瘍放射線治療学分野 助教
「早期舌癌に対する新規固定具を用いた定位放射線治療の開発」
鈴木賢治 科学技術創成研究院 バイオメディカルAI研究ユニット 教授
「スモールデータAIによる希少疾患から主要疾患までを網羅する統合診断支援システムの開発」
vivola株式会社(ライフ/フェムテック)代表取締役CEO 角田夕香里氏
株式会社FerroptoCure(ライフ/創薬) 代表取締役CEO 大槻雄士氏
メタジェンセラピューティクス株式会社(ライフ/創薬) 代表取締役社長CEO 中原拓氏
株式会社Jij(AI/量子コンピータ)代表取締役CEO 山城悠氏
株式会社ストリーモ(デバイス/モビリティ) 代表取締役CEO 森庸太朗氏
株式会社NSVT(デバイス/半導体設計)代表取締役 麻生浩次氏
株式会社クリエイティブAIロボティクス(デバイス/マテリアルズ・インフォマティクス) 代表取締役CEO 橋本裕之氏
株式会社elleThermo(環境/新エネルギー) ファイナンスディレクター 石井貴幸氏
クレプシードラ株式会社(IT/エンターテイメント) 代表取締役CEO 今誉氏
SkySense合同会社(IT/リモートセンシング) 代表社員 アドディン・パヴェル氏
クロージングでは、各ピッチセッションにおいて審査員・聴衆の評価が高かった発表者を表彰しました。東工大ベンチャーAwardからは大賞(副賞でITAP※賞)と特別賞、研究者ピッチセッションからはオーディエンス賞が選ばれ、それぞれ表彰されました。
最後は渡辺治理事・副学長(研究構想担当)があいさつを行い、盛況のうちにイベントは終了しました。
Id機構では、東工大の教育・研究成果をベンチャー創出により社会に還元し、世界をより良いものにしていくことに貢献すべく、今後もサポートを継続していきます。
※ITAP(アイタップ):トヨタ自動車株式会社と株式会社先端技術共創機構(ATAC)との協働により、先端技術の社会実装・事業化を加速するために立ち上げた活動。
※写真の一部はVenture Café Tokyoから提供を受けました。