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白木伸明准教授が「iPS細胞による『1型糖尿病の根治』につながる研究課題」に採択

iPS細胞から膵β細胞を作るためのカスタム培養液の開発目指す

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2022.03.03

生命理工学院の白木伸明准教授(生命理工学コース主担当)はこの度、日本IDDMネットワークによる研究助成金「iPS細胞による『1型糖尿病の根治』につながる研究課題」に採択され、2022年2月24日(木)の贈呈式に参加しました。

左上上段から東京大学谷口英樹教授、日本IDDMネットワーク井上龍夫理事長、京都大学長船健二教授、白木准教授、大阪大学佐々木周伍特任研究員(提供:日本IDDMネットワーク)

左上上段から東京大学谷口英樹教授、日本IDDMネットワーク井上龍夫理事長、京都大学長船健二教授、白木准教授、大阪大学佐々木周伍特任研究員(提供:日本IDDMネットワーク)

1型糖尿病とは

一般に”糖尿病”として知られている2型糖尿病に対し、1型糖尿病は10万人に2人程度の割合で発症します。膵臓からインスリンが突然出なくなり、現在も詳しい原因は不明です。小児期に多く発症し、現在の医学水準では生涯にわたって毎日4~5回のインスリン注射又はポンプによる補充が必要で、この難病を根治する新しい治療研究・基礎研究が必要とされています。

白木准教授の助成研究について

  • 研究課題名:代謝特性を利用した新規膵臓β細胞分化方法の開発(助成額:500万円)
  • 研究代表者:白木 伸明
  • 助成研究の内容:膵β細胞は6段階を経てiPS細胞から作成されますが、各ステップごとに最適な細胞分化培養液が必要です。最近になり、細胞ごとにアミノ酸やミネラルなど培養液中の栄養素の使い方(代謝特性)が違うことが分かってきました。

そこで本研究では、iPS細胞からβ細胞を作成する際に経由する細胞ごとの栄養素の利用の違いを正確に把握することでその違いを利用したカスタム培養液を開発し、目的の細胞が必要とする栄養素を過不足なく供給します。このことによりインスリンを分泌する能力のさらに高い膵β細胞を高純度で作成することを目指します。

今回の研究助成金は、佐賀県庁へのふるさと納税を活用したクラウドファンデングにより集まった寄付金を財源としており、白木准教授含め4件の研究課題が採択されました。贈呈式では、各研究代表者が助成金をご寄付いただいた皆様へ深い感謝を申し上げるとともに、研究概要や目指すゴールを説明し、1型糖尿病根治のための課題解決に向けた思いを語りました。

白木准教授のコメント

このたびは、研究助成に採択していただき、日本IDDMネットワーク関係各位に心より感謝申し上げます。今後も1型糖尿病の根治を目指し、研究に取り組む所存です。

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