生命理工学系 News
東京工業大学 科学技術創成研究院に設置された「世界の研究ハブ」イニシアティブ Tokyo Tech World Research Hub Initiative (WRHI)は、海外からトップクラスの研究者を招聘し、東京工業大学に異分野融合型研究拠点「世界の研究ハブ」を構築することを目指して国際共同研究を推進しています。
11月10日、設立から4年を経たWRHIの活動状況やこれまでの成果を紹介するとともに、コロナ禍のような人類共通の課題の解決のために、機動的かつ効果的な国際共同研究を構築・推進する方策について議論を深めることを目的として、オンラインでシンポジウムを開催いたしました。基調講演では、東北大学と京都大学の国際共同利用・共同研究拠点の活動が紹介されました。また、海外からの参加者を交えてパネルディスカッションを行いました。
オンラインシンポジウムには300名近い事前申込がありました。当日は世界同時中継で開催し、時差があるにもかかわらず各国から続々とオンラインに参加しました。世界の研究者とネットワークを築きつつあるWRHIは、コロナ禍で人の往来が制限されている今日、新しい形での国際シンポジウムを行うことができました。
シンポジウムは益一哉 東工大学長と、杉野剛 文部科学省研究振興局長による開会挨拶で始まりました。久堀徹 科学技術創成研究院長(ライフエンジニアリングコース主担当)が研究院の概要を説明し、東正樹 WRHI運営委員長・東工大教授がWRHIについて説明しました。
開会の挨拶をする益学長(左)と杉野局長
続く基調講演では、古原忠 東北大学金属材料研究所所長と、寺西利治 京都大学化学研究所教授がそれぞれの国際共同研究・共同研究拠点の活動について話しました。
次に、WRHIで活発に共同研究を進めているサテライトラボから4名の研究者が、オンラインで国内や海外から講演を行いました。
講演後に行われたパネルディスカッションでは「世界の研究ハブの構築を目指して“COVID-19を越えて”」のテーマで討論が行われました。実際にWRHIの枠組みで海外から着任した研究者の皆さんから多くの意見が出ました。日本において海外との国際共同研究を進めていくにはどうすればよいのか、について話し合い、海外の視点は新鮮な突破口とも感じられ盛り上がりました。
閉会挨拶では渡辺治 理事・副学長(研究担当)が、「国際研究推進には実際に研究者が往来することが必要であり、執行部としては事務を含めたこのようなWRHIの取り組みを今後に活かしていきたい」と話しました。
今後も、最先端研究を国際共同研究として進めていくために、WRHIの枠組みは大いに利用されます。コロナ禍の中、またコロナ後についても新しい形でサポートできる方法をWRHIは模索してまいります。
2016年4月、科学技術創成研究院内にTokyo Tech World Research Hub Initiative(WRHI、世界の研究ハブイニシアティブ)が立ち上げられました。WRHIは、海外の優秀な研究者を招聘(雇用)し、国際共同研究を推進する6年間のプロジェクトです。
2017年度以降は「情報・人工知能研究」「細胞生物学研究」「材料・デバイスの研究」「社会実装研究」という4つの国際ハブグループを設置しました。2016年度から海外から234人の特任教授らを招き、国際共同研究が活発に進められています。