生命理工学系 News
東京工業大学ヨット部の男子部員2名が11月20日から24日まで江の島ヨットハーバー(神奈川県藤沢市)で開かれる第48回全日本470級ヨット選手権大会に出場します。全日本大会は学生だけでなく実業団チームに所属する社会人も出場し、国内トップを決める最高レベルのレースです。東工大ヨット部が他大学の強豪と競い、全日本大会の出場権を獲得したのは2005年以来、14年ぶりの快挙です。
出場を決めたのは470級のスキッパー、八鍬(やくわ)祐樹さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程2年)とクルー、渡辺博之さん(工学院 機械系 学士課程4年)のペアです。二人は5月18、19日に江の島ヨットハーバーで行われた関東470級選手権大会予選および6月29、30日に葉山港(神奈川県三浦郡葉山町)で行われた全日本470級選手権大会関東水域予選レースで優秀な成績をおさめました。レースの成績に応じて与えられるポイントにより、関東水域枠から全日本大会に進む28艇の中に選ばれました。
全日本470級選手権大会は、予選シリーズ5レース、決勝シリーズ最大6レースとメダル・レースが予定されています。
東工大ヨット部の活動は主に週末。活動拠点となる葉山には合宿所があり、土日は1泊2日で共同生活をしながら練習に励みます。様々な学年・性別のメンバーで構成されたグループにわかれ、海上練習後のミーティングや日々の体力づくりの自主練習の中で、上級生が下級生を指導し、選手としての成長を助けます。 週末の練習時間を確保するため、平日や合宿所での自由時間には集中して学修に取り組んでいます。 今回出場する八鍬・渡辺ペアも、チームワークとメリハリのある生活によって、限られた練習時間の中で全国レベルの大会に出場するほどの実力を付けることができました。
今回の大会に出場出来たのは、日頃から励んできた練習のおかげです。土日をフルに使って行うヨット部の活動はある意味ハードで、僕自身も1年の頃は土日を欠いた生活を辛いと感じたこともありました。しかし、だからこそ平日は勉強、週末はヨットと割り切ることで、どちらにも集中して取り組めるようになりました。 正直に言うと、本当に出場できるとは思ってもみなかったので、緊張すると同時にとても楽しみにも感じています。ヨット部の活動を支えてくださる方々のためにも、自分たちの実力が通じるかは分かりませんが、渡辺さんと出られる最後の大会を悔いの残らないものにできるよう頑張りたいと思います。
14年ぶりの全日本に出場できることに対して緊張よりも期待が強く、楽しみで仕方がありません。4年になり、7月までは研究で忙しく部活と研究の二足のわらじを履くのはかなり難しく、特に6月後半からの1か月半は学士特定課題研究の追い込みで大変でした。そのため例年4年の部活の参加率は低下しますが、その中でも暇を見つけては練習に参加し、結果として6月末の全日本予選の突破につなげることができたのは誇らしく思います。そして7月まで勉学に励んだ分、夏季休業期間は部活に集中して練習を重ねることができました。学生最後のレースで良い結果を残せるよう全力で精進していきますので、応援よろしくお願いします。
部活動としても歴史が古く、一般社団法人くらまえ潮会という会員数400名を誇る体育会ヨット部OB/OG会が、「一人前のセーラーを育てることは、すなわち一人前の社会人を育てること」をモットーに、現役部員の活動を全面的に支援しています。
ヨットレースは、ディンギーと呼ばれる2人乗りのエンジンのないヨットに乗り、風や潮といった気まぐれな流体の中をどう早く進むか、高度な戦略と戦術が要求される頭脳スポーツです。レースは参加艇が一斉にスタートし、海上に設置されたブイを決められた順序で、決められた回数を回りフィニッシュの順位を競います。
470(ヨンナナマル)級は艇体の全長が4.7 mであることに由来して命名されました。2人乗りで帆が3枚のレーシング・ディンギーを用いて戦うレースです。オリンピックのセーリング種目にも採用されました。乗員の適正体重は2人の合計で130 kg前後と小柄な日本人の体格に適していることから、国内で最も盛んに行われています。
舵と主帆(メインセール)を操るスキッパーと前帆(ジブセール、470級ではスピネーカーも使う)を操るクルーがペアを組みます。
このイベントは東工大基金によりサポートされています。