生命理工学系 News
6月4日~8月8日の10週間、欧米を中心とする本学協定校等との連携による国際化の推進を目的として、サマープログラム2019(Tokyo Tech Summer Program 2019)を開催しました。2016年に開始してから4回目となる今年のプログラムには26名の学生が参加しました。学生は受け入れ先となった本学教員の研究室に所属し指導を受けました。同じ研究室の日本人学生と交流しながら、研究を進め、最後は研究成果を発表しました。
初日には、受け入れ教員のほか、日本文化を体験する合気道体験の合氣道部学生、日本語と英語を学生同士で学びあう語学パートナー(通称タンデム)制度、日本人家庭を訪問するホームビジットプログラムなどに参加する本学学生らに囲まれて、参加者約100名のランチ交流会が開催されました。
語学パートナーとホームビジットプログラムの様子についてはこちらの関連記事をご覧ください。
カルマン准教授
オルガさんをサマープログラムに受け入れることができてとても良かったです。研究成果はまだ部分的ではありますが、今後が楽しみです。
遠来の仲間とともに研究ができたことは喜びです。研究室の学生もオルガさんを親しく迎え入れ、食事にも誘いました。最終日の成果発表会に参加した学生もいました。オルガさんのような優秀な若い数学者が東工大をもっと訪ねてくれることを期待します。
オルガさん
このプログラムは素晴らしい経験となりました。いつか訪問したいとずっと夢見ていた日本を発見する機会となりました。
カルマン先生のもとで取り組んだ10週間の研究プロジェクトはチャレンジングなトピックでした。カルマン先生には多くのことを学びました。研究室の学生のみなさんからも貴重なアドバイスを受けました。学生のクラブ活動にも参加し、多くの親切な東工大生に出会えたこともうれしかったです。プログラムを終えたいま、私は二つのことを言いたいです。
数学の研究を続けることにわくわくしています。そして、日本が大好きになりました。
粂教授
10週間の短い期間でしたが、クーパーさんは実験の技術を修得し、まとまった結果を得ました。研究室の活動に参加し、学生と交流しました。成果を発表し、研究について議論しました。クーパーさんと一緒に研究できたことは、私たちにとって素晴らしい体験となりました。
クーパーさん
粂先生の研究室で学ぶ機会を持てたのは、得難い経験でした。私の研究が少しでもお役に立つことができれば、と希望します。
研究を助けてくれた皆さんに出会えたことも幸いでした。彼らは時間を割いて、私の実験が成功するように教えてくれました。
日本の文化をどう学べばよいかも知らせてくれました。
必修授業ジャパン・スタディーズでは、日本の防災システムやTSUBAME3.0を含む東工大のコンピュータ分野の研究紹介、および江戸時代以降の日本の科学技術の歴史について講義を受けました。
6月17日には日産自動車横浜工場(横浜市神奈川区)と港湾空港技術研究所(神奈川県横須賀市)を見学しました。日産横浜工場では、エンジンの組立てラインの見学を通して日本企業独自の生産管理体制に理解を深め、港湾空港技術研究所では、津波の実験施設である「大規模波動地盤総合水路」をはじめとする研究施設について説明を受けました。
研究室での研究活動のかたわら、さまざまな日本文化を体験しました。
6月19日、東工大合氣道部で心身統一合氣道会・小原英雄師範の指導の下、礼から始まり礼に終わる合気道を体験しました。師範から「優秀な人間ほど人間関係に悩むことも多いが、そんなときに思い出してもらいたい精神面がある」と指導があり、心身ともに学んだ1時間半でした。
稽古後は本学生協第二食堂の一部を貸し切り、合氣道部学生主催の懇親会が開催されました。合氣道部学生と留学生の双方からとても充実した時間を過ごせたとの喜びのコメントがありました。
7月10日には、希望者17名が国立国会図書館(東京都千代田区)を訪問し、その後、皇居周辺を散策しました。池の鯉や緑道の美しさに感動する参加学生の姿が印象的でした。
プログラム最終日には、参加学生は研究成果のポスター発表を行い、大勢の研究室メンバーが駆けつけてくれました。
参加学生および来場した受入研究室の教員と学生の各々が、一番気に入ったポスターに投票しました。ハーバード大学から参加したハリーナ・ウオルデミケルさんが一番多くの票数を獲得し、見事ベストポスター賞に選ばれました。
本プログラムは、「スーパーグローバル大学創成支援事業(Top University Global Project)」による取組みとして2016年に開始しました。
「スーパーグローバル大学創成支援事業」は、2015年に文部科学省が開始したプログラムで、日本の高等教育の国際競争力の向上を目的に、海外の卓越した大学との連携や大学改革により徹底した国際化を進め、世界レベルの教育研究を行うトップ大学や国際化を牽引するグローバル大学に対し、制度改革と組み合わせて重点支援を行うことを目的としています。