生命理工学系 News
本学学生チームが、iGEM世界大会(The International Genetically Engineered Machine Competition)において今年も金賞を受賞し、金賞制度の創設以来の10年連続受賞という世界記録を更新しました。この連続記録を持つチームは全305チーム中、東工大とフライブルグ大学(ドイツ)の2大学のみです。
東工大チーム
本大会は、合成生物学分野における「生物学版ロボコン」にも例えられる国際大会です。学部生主体のチームがBioBrick(バイオブリック)と呼ばれる規格化された遺伝子パーツを組み合わせることにより、新しい人工生命システムの設計・構築を行い、その成果についてプレゼンテーションを行います。各チームは、ウェブサイトやポスターセッション、本番のプレゼンテーションを通して発表内容を伝えるほか、遺伝子のパーツの提出や安全性に対する取り組み等も準備する必要があり、それら全てが審査の評価対象になります。
今年度の大会は、10月27日~10月31日に米国ボストンで開催され、マサチューセッツ工科大学(米国)、ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク(ドイツ)、清華大学(中国)をはじめとする305チームが世界各国から参加し、10の部門と4つの新部門に分かれて競い合いました。
東工大からは、生命理工学部・生命理工学院の学生17名、理学部の学生1名、工学部の学生4名の計22名が参加してチームを構成し、合成生物学の重要性を社会に発信するための題材として、世界的に有名な童話の「白雪姫」のストーリーになぞらえ、白雪姫の瀕死、そして瀕死状態からの復活の様子を大腸菌を用いて表現しました。また、一般の人々にも合成生物について広く知ってもらうことを目的に、iGEMの活動の一環として動画を制作し、メンバーの母校の中学校、高校で出前授業も行いました。
藤澤和来さん(生命理工学部 生命工学科 生体分子コース 3年)
今回のiGEMの活動は諸事情により5月から始まりました。例年では、東工大のiGEMの活動は春休みから行われており、今年は例年よりも遅いスタートになりました。また本格的に実験を開始したのは7月からで、実験期間は約3ヶ月でした。時間が無い中で金賞を取れたのはチームが同じ目標に向かって努力した結果だと思います。しかし目標としていた部門賞を取れなかったことは、悔いが残ります。ぜひ後輩たちには部門賞を獲得してほしいです。
代表者の藤澤和来さん(生命理工学部 生命工学科 生体分子コース 3年・左端)
iGEMの活動は東工大基金によりサポートされています。