生命理工学系 News
平成28年1月13日(水)、すずかけ台キャンパス大学会館において第4回生命理工国際シンポジウムを本研究科と情報生命博士教育院(ACLS)の共同で開催しました。
今回は“Multifaceted Approaches to Disease Intervention”というテーマのもと、2名の国外招待講演者、3名の国内招待講演者、そして2名の学内講演者に、基礎的な生命医科学研究から創薬研究、さらにはケミカルバイオロジーやナノテクノロジーを用いた技術開発に至るまで、多様な切り口で本テーマに関する最先端の研究をご紹介いただきました。
セッション1ではCornelis Murre教授(UC San Diego, USA)、岡田眞里子チームリーダー(理研IMS)、粂昭苑教授(東工大生命理工)から、生命の神秘を解明し、それを計算機や試験管内で再構成する研究をご紹介いただきました。セッション2ではAnthony D. Williamチームリーダー(A*STAR, Singapore)と安達邦知主席研究員(田辺三菱製薬株式会社)から、新規の標的に対する創薬研究についてご講演いただきました。さらにセッション3では、西山伸宏教授(東工大資源研)と浦野泰照教授(東京大学)から、診断やドラッグデリバリーに向けたケミカルバイオロジーやナノテクノロジーの技術開発についてご講演いただきました。
「セッション1でランジュバン方程式が出てきたのにはびっくりした」と山村先生(知能システム科学専攻/ACLS)からはお褒めの言葉(?)をいただきました。ACLSと共同開催してきた本シンポジウムですが、計算科学の「色」がここまで強く出たのは今回が初です。また、Murre先生からはセッション2について「創薬化学について詳しい講演を聞いたのは初めてで、とても勉強になった」との感想をいただきました。さらに、セッション3のお二人の見事なご講演により、どんなタイプのがんも近い将来、必ず発見・治療できてしまうのではないか、という印象を私たちを含む多くの聴衆が抱いたのではないかと思います。
参加人数は事前登録段階で400名を超え、過去最大の数字となりました。平成28年度からの組織改革によって運営体制の見直しが必要ですが、今後も質の高い国際シンポジウムを継続して開催し、特に大学院生や若手研究者に、国際的に活躍する第一線の研究者と交流する機会を提供していきたいと考えています。