リベラルアーツ研究教育院 News
主体的に参加した学生たちが池上先生と一緒にイベントを盛り上げました
Science Tokyoリベラルアーツ研究教育院主催の「池上彰先生に『いい質問』をする会 8」が2025年7月7日に開催されました。今年は昨年に引き続き、学生支援センターに所属する学修コンシェルジュJr※をはじめとする学生5名が運営に参加。テーマ作りから司会進行など幅広い業務を担当し、池上彰特命教授とイベントを進めていきました
学修コンシェルジュJr.(ジュニア)は、現役学士課程生・大学院課程生の計34名※で構成される、学生支援センターの学生スタッフのグループです。学士課程初年次学生を主な対象に、同じ学生の立場から学修支援の活動を主体的に展開しています。具体的には、入学時ガイダンスの企画と講師の担当、学修に役立つハンドアウトや記事の執筆・編集、初年次理工系科目のチュータリングの担当、および外国語学習・国際交流を促進するためのプログラムやイベントの企画・運営など、多角的かつ多面的な支援を、学修コンシェルジュの専門員と協働して提供しています。
※2025年6月現在
学修コンシェルジュJr.のメンバーをまとめた東京科学大学 副学長(学生支援担当)であり、学生支援センター教授の伊東幸子先生(右)。本会は学生支援センターとの共催で開催されました。
学生からのどんな質問にも即答する池上彰特命教授
今回は「日本の食」と「哲学教育」のふたつがトピックスに設定され、それぞれについて学生たちからの質問に池上特命教授が答えていきました。
まずは、米不足による価格高騰や生活必需品の物価高騰が連日話題に上るなど、学生たちの生活に直接影響が及ぶ日本の食料問題について質問を募りました。学生たちから国内自給率向上や農業協同組合(JA)の在り方など、多岐にわたる質問が寄せられました。これに対し、池上特命教授は“令和の米騒動”と呼ばれる一連の事象について、その背景にある戦後の食糧政策を丁寧に解説しながら、一つひとつの質問に答えていきました。
次に、万学の母と言われながらも、日本で学ぶ機会が少ない「哲学教育」について学生から質問を募りました。池上特命教授は哲学が西洋の思考の根幹に深く根ざしており、合理性、倫理観、政治思想といった三つの側面において影響を与えていることを説明し、例として哲学で博士号を取得しているフランスの元首相の国連での有名な演説について紹介。哲学的な思考が国際社会における同国の外交姿勢にも大きく影響を与えていると解説しました。
そして、哲学はあらゆることを学ぶ前提となる基礎として捉え、自身は学生時代に哲学を学んだ経験がその後さまざまな場面で生きたとして、会場の学生たちに哲学を学ぶ重要性を説きました。
本イベントの参加者からは今後取り上げてほしいトピックスとして、「教育」「これからの世界情勢について」「政治に対する若者の向き合い方について」「医療と政治の関係」「経済理論」「国際安全保障やウクライナ、ガザ問題」「医歯学と理工学融合の可能性」といった多岐にわたる提案が寄せられました。