リベラルアーツ研究教育院 News
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院(ILA)の、池上彰特命教授、上田紀行リベラルアーツ研究教育院長、伊藤亜紗教授による、 『とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡』(中公新書ラクレ)が刊行されました。
2011年の「リベラルアーツセンター」設立から、2016年の「リベラルアーツ研究教育院」創設、そして現在に至る東工大のリベラルアーツ教育を振り返り、そこで何を目指し、どのように形あるものに作り上げてきたか、さらに今後の姿をも含め、密度高く生き生きと語る一冊です。
今や、東工大のリベラルアーツ教育は、大学教育界にとどまらずメディアの世界でも驚きと賞賛の対象となっていますが、ここに至るまでには、数々の試み、その成功と失敗、そしてドラマが繰り広げられてきました。
かねてより、東工大は、理工系を中心としつつも文系教養教育を重要視し、数多くの著名な文化人が教授陣に名を連ねてきたことで有名です。しかし、時代の趨勢と大学組織の改編でその方針が見えづらくなっていたときもありました。それを再考すべく、新たな教養教育のあり方と次世代のリーダー像を見据えて設立されたのがリベラルアーツセンターでした。4名というごく限られた人数で始まった歩みですが、5年を経て複数の部門を統合したリベラルアーツ研究教育院が作られ、現在では65名の教授陣が研究と教育に携わっています。
その「文理」や「専門」の境界を超えた斬新な取り組みや、MITを始めとする海外の大学との比較、社会の変化の中から見えてきた、次の時代に向けての目標もこの一冊には掲げられています。
「とがったリーダー」とはどのようなリーダーでしょうか?
教育論として、また、これからの教養ある人間とはどのような人間か、リベラルアーツとは何かを考えるきっかけとしてお読みください。
もっと理系のリーダーを ── はじめに 池上 彰
第1章 教養は必要なのか? 池上 彰
第2章 「とがる」ために必要なもの 伊藤亜紗
第3章 パッションと志のリベラルアーツ教育へ 上田紀行
第4章 鼎談 どうしたら日本社会でリーダーが育つか? 池上 彰×上田紀行×伊藤亜紗
あとがき 上田紀行