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リベラルアーツ教養講座「ワーグナー『ニーベルングの指輪』のコスモロジー」第2回開催

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2016.10.18

リベラルアーツ研究教育院の山崎太郎教授による 連続講演会の第二回「『ヴァルキューレ』-ヴェルズングの悲劇と未来への布石」が10月13日、大岡山キャンパス西5号館W541で開催されました。

「ワーグナーを語ることが喜びです」と山崎教授

「ワーグナーを語ることが喜びです」と山崎教授

今回のテーマは「ニーベルングの指輪」の中でも最も人気が高い『ヴァルキューレ』。

山崎教授が、幼少のころ両親が聴くワーグナーの楽曲にファンタジーを感じ取り、ワーグナーに興味を持ち始めたエピソードからスタートし、山崎教授の歌声も交えながらの約3時間の講座は、オペラファンもオペラ初心者も存分に堪能できるものとなりました。

講座前に学生と準備を進める山崎教授

講座前に学生と準備を進める山崎教授

「“ラインの黄金”から“ヴァルキューレ”の間は、数十年なのかそれとも数万年なのか」と、山崎教授は問いかけ、「ヴァルキューレ」は、ヴォータンの「偉大な構想」に翻弄される人間たち(若者の男女)の物語であるとして話は進みます。

「神々の時間軸と人間の時間軸」や、「神々の視点と人間の視点」、それらが同時に存在し錯綜するところが、ワーグナーの作品の豊かさであると語ります。

そして、「社会的規範と愛の世界」、「法の世界と感情や本能の世界」といった対立する概念が、ワーグナー自身の結婚観と重ねて描かれているその魅力には、誰もが頷きました。

また、前回同様の舞台紹介に加え、「ヴァルキューレの騎行」をクラシックファン以外の間でも有名な曲にしたフランシス・コッポラ監督の映画「地獄の黙示録」の紹介もあり、さらにワーグナーの世界の時代と空間の広がりを感じるところとなりました。

講座の後、ある聴講生は「“夫以外の男性との関係ではなく、愛のない結婚生活こそが自分自身の穢れである”と意識するに至った、ジークリンデの喜びとその絶望が深く印象に残りました」と語ってくれました。

次回開催は、10月26日(水)18:00~21:00予定(開場 17:30)です。

テーマは、「ライトモチーフ―ワーグナーの音楽技法」となっております。

1回目、2回目と曜日が変わり、水曜日開講ですのでご注意ください。

1回ずつの独立した講座のため、3回目からでも充分お楽しみいただけます。

山崎教授が文章には表現してこなかった、またこれからも表現するつもりのない、来聴者だけにお話しする内容も用意されているようです。

お問い合わせ先

リベラルアーツ教養講座事務局

E-mail : ila2016@ila.titech.ac.jp

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