生命理工学系 News
困難な「タンパク質によるC60の固定と結晶構造決定」を初めて実現
上野研究室の鈴木大凱さん(生命理工学院 生命理工学系 修士課程1年)が、2024年10月22日(火)~24日(木)にタワーホール船堀(東京)で開催された「第14回 CSJ化学フェスタ2024」において、優秀ポスター発表賞を受賞しました。
このたび、「第14回 CSJ化学フェスタ2024」において受賞の栄誉に浴し、大変光栄に思っております。
本研究では、タンパク質ケージ「フェリチン」の安定した構造を利用して、フラーレン(C60)をタンパク質に固定化する新しい方法を開発しました。これにより、C60とフェリチンの複合体の結晶構造を世界で初めて明らかにしました。C60は溶けにくく、形状も特殊なため、これまでタンパク質に固定するのが難しいとされてきましたが、今回の成果はその課題を克服するものでした。この研究を出発点として、さまざまな分子とタンパク質を組み合わせた新しい材料の開発が進むことを期待しています。
発表に際しては、専門外の方にも研究の内容を理解していただけるように説明を工夫しながら準備を進めました。これが自分自身の成長にもつながったと感じています。
今後は、この学会で得た経験を活かして研究を論文としてまとめ、さらに難しい課題にも挑戦していきたいと考えています。
最後になりますが、これまでご指導いただいた上野隆史教授、菊池幸祐助教、Basudev Maity特任助教、本研究の基礎を築いてくださった先輩方、そして日々支えてくださっている研究室の皆さんに心より感謝申し上げます。