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未来人材応援プロジェクト「みらい創造チャレンジ」2024年度(第4期)採択プロジェクト最終成果報告会を開催

「キャリー:あなたを大切にする日記」プロジェクトが最終成果を報告

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2025.12.25

東京科学大学大岡山学生支援センターでは、未来人材応援プロジェクト「みらい創造チャレンジ」第4期採択プロジェクトの最終成果報告会を、7月24日、Taki Plaza(Hisao & Hiroko Taki Plaza:ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ)地下2階のワークショップスペースにて開催しました。

「みらい創造チャレンジ」は、「想い・アイディア」を実現したい学生の「創造チャレンジ」「最初の小さな第一歩」を応援するために、大岡山学生支援センター未来人材育成支援室と教育推進部学生支援課が、本学の同窓会組織である一般社団法人蔵前工業会と共催して、2021年度から始めた企画です。毎年、応募プロジェクトに対して書類審査とプレゼン審査とおこない、採択を決定したプロジェクトに対して1プロジェクトにつき最大50万円の支援金を支給しています。

2024年度(第4期)は、4件の応募のなかから、書類審査とプレゼン審査を経て、「Ciary: A diary that cares about you.(キャリー;あなたを大切にする日記)」プロジェクトを採択いたしました(チームメンバー5名:理工学系4名、医歯学系1名)。

採択決定後、2024年11月の活動開始から2025年7月24日の最終報告会まで、毎月、学生支援センター自律支援実施委員会の教員たちが、学生たちがプロジェクトを実行していくプロセスをフォローアップするため、学生たちから活動報告を聞きその都度アドバイスをおこない伴走しました。

最終成果報告会には、未来人材応援プロジェクトの支援者であり、本学の卒業生である株式会社ぐるなび取締役会長・創業者の滝久雄氏をはじめ、株式会社みらい創造インベストメンツ、一般社団法人蔵前工業会、本学の教職員や学生等が出席し、Ciaryプロジェクトの成果報告を聞き、学生たちの発表に対して活発な意見交換をおこないました。

デモンストレーションの様子

開会挨拶をする伊東幸子副学長

学生の発表を聞いてコメントする滝久雄氏

閉会挨拶をする関口秀俊執行役副学長

最終成果報告会参加者での記念撮影_Ciaryを持つPinjaiyossaさん(前列左から2人目)

Ciaryプロジェクトについて

Ciaryは、慢性疾患を抱える人々を支援するために開発されたヘルスダイアリーアプリです。日本では多くの人が日常的に健康への不安を抱えている一方で、患者の病歴が十分に記録・共有されないことが診断エラーの要因となることも少なくないと思われます。Ciaryは、大規模言語モデル(LLM)を活用し、日記入力から健康関連情報を抽出・構造化することで、この課題に対応することを目指しました。従来の単なる記録型日記と異なり、対話機能を備えたCiaryは臨床的に重要と思われる情報を質問を通じて収集し、医療相談に役立つであろうサマリーを作成します。また、過去の記録を検索し、体調の傾向を把握することが可能となるようにしました。さらに、Ciaryはその社会的意義と将来性が評価され、東京工業大学・東京医科歯科大学とNECが共催した「NEC Generative AI Hackathon 2024」で最優秀賞を受賞しています。

さらに、私たちはCiaryアプリと連携するコンパニオンロボット「Ciary-On」を開発しました。このロボットは音声や表情、身体的なやり取りを通じて健康データを収集できるため、障害を持つ方やデジタル機器の扱いが難しい方にも利用しやすい仕組みとなっています。今後はスマートウォッチや血圧計、血糖値計などの医療機器との連携を進め、包括的な健康管理エコシステムを構築し、診断エラーの減少と患者の健康成果向上を目指します。

チームメンバー 
Pinjaiyos Kantinantさん(工学院機械系 学士4年)(チーム代表)、Agnia Vibrianiさん(生命理工学院生命理工学系ライフエンジニアリングコース博士4年)、Ammar bin Ahmadiさん(工学院機械系 学士4年)、Thanasan Kumdeeさん(情報理工学院情報理工学系 学士3年)、Muhammad Garry Syahrizal Hanafiさん(医歯学総合研究科医歯学専攻 環境社会医歯学講座法歯学分野 博士2年)

最終成果報告会発表メンバーからのコメント

「Ciary」発表メンバー、(左から)Agniaさん、Ammarさん、Pinjaiyosさん

Pinjaiyos Kantinantさん 
工学院機械系 学士4年

研究では高齢者の生活支援技術の一つである「自律移動技術」に取り組んでいます。みらい創造チャレンジでは、かけがえのない経験を得られただけでなく、素晴らしい仲間たちと協力する貴重な機会にも恵まれました。道のりは決して平坦ではありませんでしたが、互いにコミュニケーションを重ね、課題を乗り越えることができました。その結果、私たちは人々の生活様式を変革し、生活の質を向上させる可能性を秘めたものを生み出すことができました。

Agnia Vibrianiさん 
生命理工学院生命理工学系ライフエンジニアリングコース 博士4年

私は梶原・折原研究室で、ブルーライトが概日リズムを乱し、皮膚の老化を加速させる仕組みについて研究しています。みらい創造チャレンジ は私の研究テーマとは異なる分野でしたが、参加の機会をいただけたことに感謝しています。チームメンバーと一緒に取り組むことができ、とても楽しかったです。私たちは3つの異なる国から集まり(インドネシア、マレシア、タイ)、学問的なバックグラウンドや教育の段階もさまざまでした。この多様性こそが私たちの強みであり、ユニークな視点から課題に取り組み、イベントを通してお互いに多くを学び合うことができました。学術的にも社会的にも、本当に素晴らしい経験でした。

Ammar bin Ahmadiさん 
工学院機械系 学士4年

このプロジェクトは、授業で理論として学んだことを実際に応用できる貴重な機会でした。実際の課題に取り組んだ経験を通じて、将来のキャリアだけでなく、現在進行中のCCSにおける摩擦流れの研究にも活かせる実践的なスキルを習得できました。特に、みらい創造チャレンジ担当教員の継続的なサポートは大きな支えとなりました。プロジェクト全体を通して丁寧なコメントや助言をいただき、直面する課題を一つひとつ乗り越えることができました。また、医学分野をはじめとする異なる専攻の学生と協力できたことも大きな収穫でした。学際的なチームワークを通じて、課題を多角的に捉え、理解を深めることができました。

最終成果報告会参加者からの声

  • とても柔軟な発想で、Ciaryが実生活で活躍する場面が容易に想像できました。スマホの枠を超えて、ロボットとの会話形式での入力が可能になることに将来性を感じました。
  • 理工学系と医歯学系の学生融合プロジェクトとして、大変良かった。
  • とても良いプログラムなので、引き続き継続しつつ、医歯学系連携のScience Tokyoらしいプロジェクトが増えたらよい。
  • 案→実現のプロセスを応援するとても良い取り組みだと思います。
  • 学生が専門分野とは違うところでチャレンジでき、サポートして頂けるという点で素晴らしい企画だと思います。発表してくれた学生さんたちが「授業ではできない経験ができた」「やってみなければわからない」「プロジェクトがなければ知り合えない人と知り合えた」と話しておられたことで、<みらい創造チャレンジ>の趣旨が実現できていることを感じました。

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お問い合わせ先

大岡山学生支援センター 未来人材育成支援室(学生活動支援窓口)

〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1 Taki Plaza B1 TP-005

Email:st-initiativesupport@ssc.isct.ac.jp
Tel:03-5734-7629 

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