生命理工学系 News
上野研究室の菊池幸祐さん(生命理工学院 生命理工学系 博士後期課程2年)、小島摩利子さん(生命理工学院 生命理工学系 博士後期課程3年)、Thuc Toan PHAMさん(生命理工学院 生命理工学系 博士後期課程2年)が、2023年3月22日(水)~25日(土)に東京理科大学野田キャンパスで開催された「日本化学会第103春季年会(2023)」において、学生講演賞を受賞しました。
「この度は、「日本化学会第103春季年会(2023)学生講演賞」を受賞することができ大変光栄です。今学会では、留学先である英国ケンブリッジ大学との共同研究について発表をおこないました。タンパク質とセルロースナノ結晶によって構造色材料の特性を制御する試みは世界的にもあまり例がありません。今回の英語発表および質疑を通してさまざまな分野の方からいただいた貴重な意見をもとに、今後も引き続き実験・考察を進めていきたいと考えています。
日頃より研究を指導してくださっている上野隆史教授、安部聡助教、留学を受け入れさまざまなご指導をいただいた共同研究者の英国ケンブリッジ大学Yusuf Hamied化学科Bio-inspired Photonics Lab (BIP) Silvia Vignolini教授、Bruno Frka-Petesic博士、光学・力学測定を行っていただいた東京工業大学 科学技術創成研究院 宍戸厚教授、相沢美帆助教、石山拓途様、そして実験にご協力いただいた各研究室のメンバーならびに研究生活を支えてくださっている上野研究室のみなさまに、心より感謝申し上げます。」
「この度は、「日本化学会 第103春季年会(2023)学生講演賞」を受賞でき大変光栄です。本研究では、堅牢なタンパク質結晶に柔軟なターゲットタンパク質を固定する結晶エンジニアリングにより、従来法では解析困難な天然変性タンパク質の構造決定に成功しました。この成果により、これまで偶然に頼らざるを得なかったタンパク質結晶構造解析に対し新たな構造解析システムの構築が期待されます。本研究を遂行するにあたり、これまで指導してくださった上野隆史教授、安部聡助教、Basudev Maity特任助教、X線結晶構造解析をサポートしてくださった理化学研究所/SPring-8 平田邦生博士、日頃の真剣な議論によってより深い考察を与えて下さった研究室のメンバーに、深く御礼申し上げます。」
「2023年にCSJ学生発表賞を受賞できたことは、大変名誉なことです。発表では、私たちがタンパク質結晶内へのタンパク質組み立て、特にタンパク質ケージの組み込みに関する最新の結果を議論しました。私たちはフェリチンという代表的なタンパク質ケージを、細胞内タンパク質結晶プラットフォームである多面体の表面に固定化する戦略を成功裏に開発しました。この結果は、タンパク質結晶を基盤とした固体材料の構築の可能性を広げるものです。
賞を受賞することの名誉に加えて、私にとっては、大学外の研究者と研究内容を共有し、彼らから直接フィードバックを受ける機会を得られたことがより意義深いです。特に、長い間オンラインで行われてきた会議形式が初めて現地で再開されたコロナ禍の中での出来事です。
また、この機会に、上野隆史教授、安部聡助教、上野研究室のメンバーには、研究プロジェクトの指導や日々の研究室生活のサポートをしていただき、心から感謝申し上げます。
最終的には、私は生命の驚くべき未知の領域に挑戦し続けます。」