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大隅良典記念基金による3名への基礎研究支援を決定
東京工業大学は、40歳未満の若手研究者に対し基礎研究の資金を支援する「大隅良典基礎研究支援」の2021年度支援決定通知書授与式を2月1日にオンラインで開催しました。
「大隅良典基礎研究支援」は2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授からの寄附をもとに東工大が設立した「大隅良典記念基金」を原資に、2018年度に立ち上げられました。本支援は長期的な視点が必要な基礎研究分野における若手研究者支援を目的として研究費の支援を行います。第4回目となる2021年度は29名の応募があり、3名が採択されました。
以下の1、2の条件を両方満たす研究提案であること。
原則支援開始日より1年間。
ただし、研究計画によっては2年間の計画申請まで可能。
1件あたり250万円まで。
ただし、支援金額は審査により決定し、また提案内容に応じて別途考慮することがある。
所属 | 職名 | 氏名 | 研究課題 |
---|---|---|---|
助教 | 加速器と低温系から解明する初期宇宙のヒッグス場相転移のダイナミクス | ||
助教 | 巨大遺伝子クラスターを形成する嗅覚受容体サブファミリーのゲノム構造的および生理的機能の解明 | ||
講師 | 光合成光反応系が組織化することの意味の解明 |
授与式では、3名の支援採択者に対して益一哉学長から本学の基礎研究支援の取り組みについての説明の後、大隅栄誉教授より祝辞がありました。また、支援採択者と益学長、渡辺治理事・副学長(研究担当)等の審査員、大隅栄誉教授を交えた懇談が行なわれ、採択者の現在取り組んでいる研究テーマの紹介など活発な意見交換がなされました。懇談の時間では、大隅栄誉教授から支援採択者に「昨今なかなかチャレンジングな研究がしにくい環境の中で、本助成によってこのように自由な発想に基づく研究が展開されることを大変嬉しく思う。本助成は東工大全体を見渡せる良い機会になっている。この助成を機に自主的に様々な分野に耳を傾け、東工大の研究力アップに繋がるよう尽力してほしい。」 というメッセージが贈られました。
東京工業大学は、今後も日本の礎となる基礎研究に対する支援を続けていきます。
大隅良典栄誉教授が2016年、「オートファジーの仕組みの解明」によりノーベル生理学・医学賞を受賞したことを機に、将来の日本を支える優秀な人材を育成するため、経済的支援が必要な学生が本学で学ぶための修学支援(奨学金)並びに長期的な視点が必要な基礎研究分野における若手研究者支援の推進など、研究分野の裾野の拡大を目的として設立しました。
「基礎研究支援」は大隅栄誉教授が、若い人がチャレンジングな課題に取り組める環境整備や次世代を担う研究者の育成支援について要望したことに基づき、発足しました。
東工大は大隅良典記念基金をさらに充実させるため、寄附を受け付けています。
大隅良典栄誉教授が「オートファジーの仕組みの解明」により、2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。受賞決定後の動き、研究概要をまとめた特設ページをオープンしました。
「大隅良典記念基金」は、大隅栄誉教授がノーベル賞を受賞したことを機に、将来の日本を支える優秀な人材の育成などを目的として設立されました。学生の修学支援や若手研究者の研究支援などに活用します。