生命理工学系 News
東京工業大学は留学を希望する学生のために、さまざまな留学プログラムを用意しています。その一つである「派遣交換留学」は海外の協定校に1学期から1年間、留学するプログラムです。帰国したばかりの学生がその体験と現地の最新情報をほかの学生に伝える「My Study Abroad(マイ・スタディ・アブロード)留学報告会」を定期的に開いています。2020年度の初回は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、7月15日、オンラインで実施しました。ビデオ会議システムを使ったオンライン報告会は初めての試みでしたが、学生・スタッフあわせて30名を超える参加がありました。2名の学生による留学報告の後、事前に募っていた質問をもとに、Q&Aセッションを設け、これまでにないインタラクティブな留学報告会となりました。
多くの学生が修士課程で派遣交換留学の参加を志す中、学士課程4年の後期に留学した吉井さんからは、留学を決意した経緯や学士課程ならではの長期留学のメリット・デメリットについて体験談が語られました。また、在学期間を延長せずに留学するために指導教員と話し合いを続けながら、留学前に学位論文を作成したことや、留学実現に向けての学修面での準備や心構えについて、実体験を踏まえてのアドバイスもありました。「修士課程でも長期留学したいです!」と、さらなる挑戦への想いも語りました。
竹之下さんは学士課程1年時にカリフォルニア大学バークレー校(以下、「UCバークレー」と記載。)を訪問したことをきっかけに、修士課程でUCバークレーに長期の研究留学をすることを大きな目標としました。この目標を達成するために必要な英語力強化の仕方や、研究室へのアポイントメントの取り方など、留学までの道のりについてわかりやすい説明がありました。現地での経験談では、トップクラスの研究者や分野を超えた人々との交流や、最先端の研究に触れられたことが大きな刺激となり、自分自身の財産となったことを報告し、「留学したからこそ得られた濃い内容です」と発表しました。
Q&Aセッションには、同じく派遣交換留学でフィンランドに留学し、出席者の一人として参加していた学生も急遽パネリストとして参加しました。留学報告会の参加登録時に募った質問をベースに活発な議論が繰り広げられました。質問で多かったのが「事前準備」と「自己の成長を感じた時」に関するものでしたが、今の時期ならではのトピックとしてみなさん気になっていたのが、「新型コロナウイルス感染症拡大と留学」でした。今回の感染拡大を他国で経験し、留学中に直面した現地の様子と実際に起こった苦労について意見が交わされました。留学の途中で授業が対面形式からオンラインへと切り替わった、飛行機が予定通り運航されなかった、日本帰国後に2週間の自宅待機を命ぜられたなど、想定外のことが多く重なった留学となりました。それでも、派遣学生の皆さんは最後までやりきることを考えて、前向きに乗り越えていた様子でした。
また、新型コロナウイルス感染症が拡大し、自由に海外渡航ができなくなった今、留学に対するモチベーションを下げないためにはどうしたらいいか、という疑問に対しては、「今だからこそできること、そして今しかできないことに前向きに取り組み、渡航できるようになったらすぐに留学できるように準備をしておく」「準備は決して無駄にはならない」と、パネリストからの熱いメッセージがあり盛況のうちに締めくくられました。
次回の留学報告会は10月に実施予定です。