生命理工学系 News
東京工業大学学生支援センターの自律支援部門は2月18日、「第12回学生応援フォーラム」を大岡山キャンパスで開きました。
学生たちの活躍を学内外に広く発信し、学生の多彩な活動の輪を広げることを目的として毎年、開催しています。今回は本学の学生、教職員に加えて、お茶の水女子大学、千葉大学、東京大学、名古屋大学、国際基督教大学、大正大学、多摩大学、帝京平成大学、東京都市大学、日本女子大学、東方国際学院の学生、教職員や一般の方々など約100名が参加しました。フォーラムの運営には学生も積極的に携わり、当日の司会進行も本学学生が務めました。
フォーラムは百年記念館3階フェライト会議室で開かれ、水本哲弥理事・副学長(教育担当)の開会挨拶に続き、長谷川純准教授(科学技術創成研究院)・自律支援部門長が学生活動支援の方針と概要について説明しました。
お茶の水女子大学からゲストスピーカーとして招いた小野﨑すみれさん(お茶の水女子大学文教育学部言語文化学科 2年)と野村佳乃子さん(同大文教育学部人文科学科 2年)の2人が「夢のつばさプロジェクト」について話しました。「夢のつばさプロジェクト」は、東日本大震災で保護者を失くした子どもたちを支援するために立ち上げられ、現在まで活動を継続している学生プロジェクトです。震災から約8年という長い期間、プロジェクト参加学生が卒業や入学等で入れ替わりながら活動をどのように展開してきたか、具体的な活動内容を交えて語ってもらいました。
発表を聞いた参加者からは「何かしてあげたいと思ったときに行動に移せる力が素晴らしいと思った。見習っていきたい」「学生さんがOB・OGや社会人、専門家の方々と協力しながら、厚みのある人材で活動している。子どもの成長や組織の変化にあわせて新たな取り組みを発展させているので、大変参考になった」「とてもパワーのある団体だと思った。今後に対する見通しもしっかりしており、それに向けて何をしていくべきか、筋道が通っており良い組織だと思う」等のコメントがありました。
次に、自律支援部門が支援している東工大の学生プロジェクトである「学勢調査」「東工大学生ボランティアグループ(VG)」「理工系学生能力発見・開発プロジェクト」「ピアサポーター」が発表を行いました。以下は各活動の概要と口頭発表をおこなった学生のコメントです。
本学学生に対し、全学アンケート調査「学勢調査」を2年に1度実施しています。調査項目の設定、調査結果の集計、解析を学生スタッフ主導で行います。学生の視点で読み解いたアンケート結果を建設的な提言書として作成し、学長に直接、提出します。
●伊藤龍寿さん(第6類 学士課程1年)
学勢調査の活動報告をするにあたり、多くの方にご協力いただきました。誠にありがとうございます。学勢調査は外部との交流が少ないので、多くの方から意見をいただき貴重な機会となりました。このフォーラムでは、自分たちの活動を発信すると同時に他の団体についてよく知ることができたと実感しています。自身の活動をより磨きたいという思いが強まった有意義なフォーラムでした。
本学における学生ボランティア活動の拠点です。東日本大震災を機に結成されました。現在は主に災害復興支援に関わる活動や、大学近隣の地域住民との様々な交流活動、大学主催の防災訓練の手伝い等を行っています。
●市村知輝さん(環境・社会理工学院 建築学系 学士課程3年)
東工大VGは復興支援活動、防災活動、地域連携活動の3つを軸に活動している学内唯一のボランティア団体です。学生応援フォーラムは、活動内容を発表するうえで自分たちの各活動の意義やつながりを考え直すとても貴重な機会となりました。数多くの先生方、学生からいただいた様々な意見、他団体と共通の悩み、そして交流を通し生まれた新しいつながりを生かし、今後も充実した活動を続けていきたいと思います。
学士課程学生を対象としたプロジェクトです。「創造性の育成、国際的リーダーの育成」を目的として、学外から講師を招き講義やシンポジウムを企画したり、中高生を対象に科学の面白さを伝えたり、学士課程のうちから学会に参加し見学しています。
●吉見里奈さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程2年)
口頭発表を通して、理工系プロジェクトの活動を学外の方にも知っていただく良い機会となりました。また、この発表資料を作成する過程で、自分自身で活動の目的を明確にすることができました。他団体から刺激を受けることができ、新鮮でした。
●後藤美奈さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程2年)
ふだん理工系プロジェクトとして活動していると、少人数であることも影響するのか、活動の幅を広げることが難しいと感じることがあります。しかしこのような機会によって、他の団体の活動内容から、様々な分野にわたる知識や独創的な発想を聞くことができました。ここで得たものはこれからの活動に還元していきたいと思います。
学生による学生のための相談活動です。主に学士課程新入生を対象に、履修を始めとする大学生活について様々な相談対応をしています。オープンキャンパスでは受験生の相談も受け付けています。
●井澤和也さん(情報理工学院 情報工学系 学士課程 2年)
ピアサポーターでは新入生と受験生、その保護者を主な対象として相談活動を行っています。年々相談件数が増え、昨年度は200人以上の新入生が利用しました。現在は相談活動が4月と5月、オープンキャンパスのときに集中していますが、年間を通して学生が相談に訪れることができるような環境づくりをしていきたいと思います。
●土山絢子さん(理学部 地球惑星科学科 学士課程4年)
多くの学生が主体的に活動を行っている場に参加し、様々なジャンルの発表を聞いて大変刺激を受けました。フォーラムに参加し、ピアサポーターの活動をより多くの人に直接伝えることで自分たちのこれまでの活動を客観的に見直し、次年度以降の新しい活動につなげていくきっかけとなりました。
4活動の発表後、「Hult Prize Tokyo Tech(ハルトプライズ東京工業大学)」「キャンパスガイド」「図書館サポーター」「図書館サポーター謎班」「教育革新センターOEDO学生スタッフ」「東京工業大学国際交流学生会(SAGE)」「東工大海外研修企画団体(EPATS)」「立志会」「哲学研究会」「宗教を知る会」の10学生団体も加わり、パネル発表をおこないました。前回の学生応援フォーラムより新たな活動も増え、活発な意見交換の場となりました。
フォーラムは井村順一副学長(教育運営担当)の閉会の辞をもって終了し、その後、百年記念館1階へ会場を移して懇親会を開催しました。懇親会には益一哉学長も出席して開会挨拶をおこない、佐藤勲理事・副学長(企画担当)の乾杯発声で始まりました。懇親会場にはフォーラムのパネル発表で使用したポスターを移動して展示し、各学生活動の内容についても引き続き意見交換を行いながら、参加者間で活発に交流しました。
フォーラム参加者のアンケートには「自分の知らないところで多様な活動がおこなわれていることに気付けて良かった」「活動分野の異なる団体同士の交流ができて良かった」「多数の学生活動があるので連携や協力があればもっと面白くなると思う」「学生活動の最も難しいことの一つは継続である。どのグループも新しい活動を拡げることでモチベーションを高め、展開しているところが素晴らしいと思った」「『学生と教職員の協働』というキーワードが冒頭にあげられていたが、大学側も積極的にサポートしている印象を受けた」等の声が寄せられました。
以下はフォーラムで司会を務めた学生のコメントです。
●吉田拓暉さん(第1類 学士課程1年)
初めのうちは1年生という事もあり、学生応援フォーラムについて何もわからない中で、とても大きな不安を感じておりました。しかし、先生方や一緒に司会を務めてくださった蛭田さん、各活動の学生さんたちに支えられて、何とかやり遂げることができました。このフォーラムがさらに盛り上がっていければよいなと思います。
●蛭田彩人さん(物質理工学院 材料系 学士課程3年)
学内外の関心のある方々に広く活動を認知していただくことがこのフォーラムでの最重要項目だと考えました。従って、司会を努めるにあたって最も気を付けたことは「活動団体と参加者の橋渡し」になることです。パネル展示や懇親会でも素晴らしい交流ができたため、私にとって大変満足のいくものになりました。
学生支援センター自律支援部門では、学生の主体性や社会性の涵養を目的とする学生活動を今後も支援していきます。
当部門は、学生たちの自主性に基づいて企画・立案・実施され、学生間・大学・地域等に対して有益な活動を支援しています。学生の活動に教職員が協働して関与することで、学生が活動において壁に直面した時のフォローアップや、自律を促す指導・助言をおこなっています。