融合理工学系 News
生体や物理現象を規範としたデザイン、ヒトを起点にするデザイン
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介します。今回は、マイクロロボティクス研究開発とエンジニアリングデザインによる価値創造を実現するための研究を行う、齊藤滋規研究室です。
エンジニアリングデザインコース
研究室:大岡山キャンパス・石川台1号館451号室
教授 齊藤滋規、
助教 田岡祐樹
構成(2024年5月現在):博士後期課程3名、修士課程11名、学士課程1名、支援員1名
研究分野 | 生体模倣構造による機能材料/マイクロロボティクス/エンジニアリングデザインにおける創造性 |
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研究キーワード | 静電吸着デバイス/ロボット工学/物体ハンドリング /人間中心デザイン/デザインチーム/データによる創造性拡張 |
Webサイト | 齊藤滋規研究室 |
さまざまな変化に直面し将来の予測が非常に難しい社会において、社会や人々の潜在的なニーズに応え、人々のライフスタイルを変えるような製品やサービスの絶え間ない研究・開発を行う人材が求められています。齊藤滋規研究室では、日頃の研究活動や学会発表、論文出版等を通じて、学生の能力(課題設定能力、課題解決能力、リーダーシップ力)を向上させることと、学術的・社会的に価値の高い研究成果を産み出し世の中に還元することの2つをミッションに定め、研究活動を進めています。
齊藤滋規研究室では、「マイクロロボティクス研究開発」と「エンジニアリングデザインによる価値創造」の大きく2つの柱で研究を推進しています。前者は、マイクロスケールにおいて顕著に影響が現れる力を効果的に発揮するデザインを追求することによって次世代の物体把持・離脱機能を実現することを目指しています。後者は、価値創造のための製品・サービス開発プロセスに関する研究を工学的、認知科学的手法や質的研究を用いて進めています。
「つまむ」様な動作を必要とせず、金属薄膜、誘電体膜(含む、プラスチック、紙、布)を確実に把持・離脱する需要が高まっています。当研究グループは、壁や天井に貼り付き自由に動き回ることができるヤモリからヒントを得て、「微細毛構造による表面柔軟性を持つ静電チャック」を開発しています。微細毛の梁構造に自由度を導入したり、支持駆体にオーセンティック構造を導入したりすることで、目的に応じた構造を研究・開発しています。
複雑な社会課題の解決を行うチームにおけるデザインプロセスを科学的に研究し、知見を現実のプロジェクトに反映することで次世代のイノベーション創出に貢献します。具体的には、チーム状況を可視化することでデザイン活動を支援する方法や、メタバース空間におけるデザイン活動を支援する方法の研究を行っています。また、未来社会を実現するための活動(課題発見・発想・評価)を繰り返す場である未来リビングラボを主催し、未来社会を実現する製品・サービス創出や、課題解決を行うチームを生み出します。
齊藤研究室は、知的な挑戦を追求する場です。私たちはエンジニアリングデザインの理念を中心に、工学研究とデザインプロセス研究を組み合わせ、社会の課題にアプローチしています。自分自身を成長させる喜びを感じる方々を歓迎します。もし自分の能力を最大限に活かしたいと考えているなら、ぜひ私たちの研究室への参加を検討してください。
※この内容は掲載日時点の情報です。最新の研究内容については研究室サイトをご覧ください。