教育
1
現代社会には、単一の学問領域の知識では解決できない複雑な問題が多くあります。よって、これらの問題解決に貢献するためには、様々な領域の学問を、表層的ではなく、本質的に理解する必要があります。また、問題解決のためには、様々な異分野の人々との連携やチームワークが不可欠です。こうした社会ニーズを踏まえ、融合理工学系では、エンジニアリング全般に共通する本質的学問要素を最初に広く学びます。また、PBL(Project Based Learning)を通じて、チームワーク力やその中で各自がそれぞれの立場で発揮するリーダーシップを実践的に体得します。
2
融合理工学系は、異なる専門分野をもつ教員が相互の専門性と多様性を尊重しつつ、様々な学問領域を社会問題の解決という観点から結びつけた超域的教育を推進します。この考え方は、近年脚光を浴びているデザイン思考というアプローチの教育および研究における実践と呼ぶこともできます。融合理工学系の多様性を構成するのは教授陣だけではありません。様々な国から留学生を積極的に受けいれており、彼らも大切な融合理工学系の構成メンバーです。このような多様性に富む環境が、新たな教育と研究の姿を実現するのです。
3
融合理工学系では、多くの必修科目を日本語と英語の両方で学べる体制をとっています。交換留学や海外インターンシップに出た際、自分の学びや関心を思うままに英語で説明でき、さらに新しい知見や経験を積極的に吸収できるようにします。東工大生の多くは、社会に出てから日本国内にはとどまらず、多くの国々で活躍していますが、融合理工学系の卒業生はますます国際的に活躍することになるでしょう。
4
物事を理解するためには、何事も実際に体験してみることが大切です。グローバルな時代だからこそ、SNSやウェブ上の情報ではなく、実際に自分の目や耳で異なる国の文化や生活を知り、また異なる学習環境や職場経験を得ることが極めて大切です。また、海外から短期・長期の交換留学を希望する学生を受け入れることも、身近で海外事情に対する理解を深めるために大変有益です。融合理工学系は、東工大でもっとも国際社会に開かれたダイナミックなユニットを目指します。
5
融合理工学系は、工学分野全般に共通する広範な基礎理論を本質的に学ぶだけでなく、リーダーシップやマネジメント能力も体得する講義を用意し、その上英語による学びや海外での経験も推奨するなど、必修科目をみると非常に欲張りなカリキュラムを提供しています。また、必修科目以外の履修については、所属する学生は各自の関心や目的に応じて、自主的に学びをデザイン(設計)することが前提となっており、主体性と積極性のある学生であることが求められます。既存の常識を疑い、自分の限界を越えたいという強い意志を持ち、社会に貢献することに高い志をかかげる学生のための場所なのです。