生命理工学系 News
オーストリア・ウィーンにあるVienna BioCenterは、分子病理学研究所(IMP)をはじめとする研究機関が集積する、生命科学分野の国際的な研究拠点です。東京科学大学生命理工学院では、Vienna BioCenter Summer School(VBSS)と連携し、参加を希望する学生を学院として推薦する制度を設けました。今回は、本学院の推薦を受けて同プログラムに参加した学生の体験談をご紹介します。
私はオーストリアのウィーンにあるウィーンバイオセンター (Vienna BioCenter; VBC)内の分子病理学研究所 (Research Institute of Molecular Pathology; IMP)で7〜8月の約2ヶ月間、VBCが主催するサマースクールにて研究インターンを行いました。世界各国から意欲のある約20名のB4〜M1の学生が集まり、それぞれ違う研究室へ配属されてプロジェクトを遂行するこのインターンは、非常にハイレベルで学びの多い期間となりました。研究活動のほかにも、博士課程の学生や教授たちによる最先端の研究の講義や、ソーシャルアワー、チョークトーク、シンポジウムなどのイベントも開催され、様々な面から今後の研究活動や将来について考えるとてもいい機会にもなりました。
配属先の研究室では、コヒーシンと呼ばれる染色体分裂や転写制御を行うことで知られているタンパク質について研究を行っていました。私のプロジェクトでは、細胞内のDNAトポロジーを化学的なツールを用いて観測するということに挑戦をしました。2ヶ月間という、研究にとっては非常に短い期間ではありましたが、新しい分子生物学的な手法を多く学んだほか、どのように問いを立てて実験を設計するか、出てきたデータをどう解釈するか、など研究遂行のための姿勢も学ぶことができました。
私がサマースクールに応募したきっかけは、「海外で研究をしてみたい」という気持ちでした。実際に応募する前は、海外で研究を行うことはハードルが高く、自分には難しいものだと思っていました。しかし、思い切ってその環境に飛び込んでみると、それは決して越えられない壁ではなく、着実に進める道がありました。そして、周りの多くの研究者やインターン同期たちの助けを借りながら、自分自身が研究者として成長できていることを実感しました。
また、日本とは研究室の文化も大きく異なり、ヨーロッパの大部分では、1)研究室が研究員と博士課程の学生で構成されていること、2)博士課程の学生は、研究室または研究所に雇用されており、給料を得ることができることが日本との大きな違いとして挙げられると思います。
さらに、世界各国から集まった科学に関心を持つ同世代の仲間たちとも出会いました。一緒に2ヶ月間の研究プロジェクトをこなす傍ら、休日にウィーンや近隣のスロバキア、クロアチアへ遊びに行ったことや、夜更けまで将来を語り合ったのも貴重な経験となりました。ウィーン最後の夜は、涙ながらに再会を約束しました。
日本から海外へ挑戦する人はあまり多くはないと感じていますが、チャンスはたくさんあると思うので、迷ったら一度挑戦してみてください。最後に、このような機会をくださったすべての皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
シンポジウムにおける研究成果のプレゼンテーション
毎週金曜日に研究所内で行われるソーシャルアワー
インターン仲間と、自分の国の料理を持ち寄ったポットラックパーティー(研究所内キッチンにて)
休日にインターン仲間と訪れた、隣国スロバキアの首都ブラティスラバ