未来

化学が人類を救う可能性を信じて

大正製薬株式会社
医薬研究本部 化学研究所 化学第2研究室
室長・副理事

柿沼 浩行 さん

柿沼 浩行さん

現在の仕事について教えてください。
複数の創薬研究プログラムの進捗管理とマンパワーの配分および人事労務関係の仕事をしています。また、自分がテーマリーダーとして受け持っている研究プログラムもあります。自ら実験することはありませんが、研究者として開発候補化合物の創出を目指し、プロジェクトチームを牽引する必要があります。さらに、将来どんな研究プログラムを設定するかアイデアを提案する取り組みも行なっています。創薬研究には忍耐が必要で簡単ではありませんが、予想外に良い結果を得たときの喜びは一生忘れられません。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
大学院にて糖質の有機化学を学びました。当時橋本・湯浅研究室で行なわれていたグルコースのアナログ(5-チオグルコース)の生物有機化学が応用され、2型糖尿病治療薬ルセオグリフロジン水和物(ルセフィ®錠)に結びつきました。さらに、研究室で出会った素晴らしい先生方、先輩、多くの同僚は、社会に出てから仕事上の相談相手となり、私にとってかけがえのない財産となりました。
今後の目標を教えてください。
若い研究者が画期的な新薬を発明する手助けをすることです。一人でも多くの研究者が薬を世に出し、患者様、先生方に喜んでいただけることを実感してほしいです。そして、今の若手が次の世代に創薬プロセス、研究者魂を引き継ぐことで、継続した研究活動の維持発展を願っています。また、自分も一研究者として、本当に患者様から必要とされる医薬品を創りたいと考えています。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
東工大では科学の基礎を学びますが、困った時にどうするのか、もしかすると生き方を学べるかもしれません。大学や研究室で出会う先生や仲間は後の人生の助けとなるでしょう。国内でもトップクラスの理系大学に入学し、さらに発展させるのは“あなた”かもしれません。

かきぬま・ひろゆき(埼玉県出身)

1988年
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 生命化学専攻 修士課程 入学
1990年
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 生命化学専攻 修士課程 修了
1990年
エーザイ株式会社 入社
1993年
東京工業大学 大学院生命理工学研究科 バイオサイエンス専攻 博士課程 入学
1996年
東京工業大学 大学院生命理工学研究科 バイオサイエンス専攻 博士課程 修了
1996年
日本たばこ産業株式会社 博士研究員
1999年
大正製薬株式会社 入社

※記事の内容は取材当時のものです

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