未来

新たな挑戦を続けて未来の医療を担いたい

第一三共株式会社
研究開発本部 バイオ統括部 バイオ研究企画G 主査 

飯村 信 さん

飯村 信さん

現在の仕事について教えてください。
病気で苦しむ患者さん達に少しでも早く、効く薬を届けるために、バイオ医薬品の創薬研究を、研究企画の立場で様々な面から支える仕事をしています。現在は直接研究する立場にはありませんが、研究者と協力することで研究を共に進めている実感があり、とてもやりがいを感じます。臨床試験目前で国内外から注目を浴びている、筋ジストロフィー治療のための核酸医薬品開発プロジェクトのグローバル研究開発チームの一員としても活動しています。薬事面からのサポートとして薬事行政担当の方々と共同で問題解決に取り組んでいます。新たな挑戦として再生細胞治療の実現に向けた、社内外の活動も進めており、未来の医療を担う事業として発展させようと取り組んでいます。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
東工大ではソミニティーテニスクラブに所属し、先輩や同僚に恵まれて厳しい中にも楽しい学生生活を送り、共同で物事をやりぬく喜びを学びました。4年生から所属した生命理工学部の関根研究室では、核酸の合成研究の基礎から様々な手技や専門知識、研究センスを学ぶことができました。企業の創薬研究では、研究室で学んだ基礎を元に、自分なりに工夫して研究者として内容の濃いバラエティーに富んだ研究をすることができました。社内のテニスクラブに在籍し、担当業務以外の知り合いが増えて、仕事にとてもプラスになっています。企画業務になり、核酸医薬プロジェクトに参画することになった際には、学生時代に在籍した関根研究室のOBに、核酸に関する現在の状況を専門的な立場からの意見として聞くこともできるなど、仕事を進める上で大きな支えになっています。
今後の目標を教えてください。
製薬企業の創薬研究を研究企画という立場で支えながら、様々な疾患に苦しむ世界中の多くの患者さん達を救う、新しい治療法を提供できればと考えています。それには、これまで培ってきた低分子医薬の技術やノウハウを生かしながら、ペプチドや核酸、細胞治療と様々な新しい薬の形を生み出していく必要があります。特に、現在力を注いでいる核酸医薬プロジェクトを大きく発展させて、低分子や抗体でも治療できない、多くの患者さん達を救いたいと考えています。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
東工大で学んだことや、研究室でお世話になった先生や諸先輩方、サークルで共に汗を流した友人達は卒業後も様々な場面で支えてくれます。特に仕事の面で言えば、お世話になった研究室の先輩や後輩がアカデミアやベンチャーで教授や社長として活躍し、研究に関するアドバイスをくれたり、現在の会社との共同研究を検討するような関係になっていることは、まさに東工大の実力であり、かけがえの無い財産だなとつくづく感じています。

いいむら・しん(神奈川県出身)

1986年
東京工業大学 第1類 入学
1990年
東京工業大学 生命理工学部 生命理学科 卒業
1992年
東京工業大学大学院 生命理工学研究科 バイオサイエンス専攻 修士課程 修了
1992年
第一製薬株式会社 入社
1997年
東大発ベンチャー医薬分子設計研究所【出向】
2000年
米国サンフランシスコバイオテックベンチャーAxys Pharmaceuticals【出向】
2003年
東京工業大学大学院 理学博士号取得
2003-2004年
University of California Irvine, Overman研究室 Visiting Scientist
2007年
第一製薬株式会社と三共株式会社が統合し、第一三共株式会社となり、研究開発本部 化学第二研究所に在籍
2013年
第一三共株式会社 研究開発本部バイオ統括部 バイオ研究企画グループ

※記事の内容は取材当時のものです

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