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細胞制御工学研究センターコロキウム0014、0015

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日程
2017年7月20日(木)
時間
16:00 - 17:00、17:00 - 18:00
場所

すずかけ台キャンパス別窓

S2棟 2階 203号室

細胞制御工学研究センターコロキウム0014(16:00 - 17:00)

講師
土屋光博士(東京都医学総合研究所 蛋白質代謝研究室)
演題
質量分析計を用いたユビキチンシグナルの網羅的解析
(ref. Tsuchiya et al. (2017) In vivo ubiquitin linkage-type analysis reveals that the Cdc48-Rad23/Dsk2 axis contributes to K48-linked chain specificity of the proteasome. Mol. Cell 66, 488-502)
要旨
タンパク質のユビキチン化はプロテアソームに依存的なタンパク質分解のみならず、タンパク質の輸送やシグナル伝達など多彩な生命現象に関与する。ユビキチン化が多様な機能をもつ要因としてユビキチン修飾の構造多様性が挙げられる。異なる構造のユビキチン鎖はそれぞれ異なる機能をもつと考えられている。代表的な例として4つ以上の長さのユビキチン鎖がプロテアソーム分解のシグナルであると考えられている。しかしながら近年の研究により、マルチプルモノユビキチン化や分岐鎖なども分解シグナルとして機能することが示唆されており、混沌とした状況となっている。そこで、本研究では質量分析計を用いてプロテアソームやデコーダー分子と細胞内で直接相互作用するユビキチン鎖を決定することにより、ユビキチンンシグナルの発動機構の解明に迫れると考えた。以上、プロテアソーム分解系におけるユビキチン鎖選択性を中心に最近の研究成果を解説したい。

細胞制御工学研究センターコロキウム0015(17:00 - 18:00)

講師
大竹史明博士(東京都医学総合研究所 蛋白質代謝研究室)
演題
ユビキチンコードのクロストーク:分岐型ユビキチン鎖の細胞内機能
(ref. Ohtake et al. (2016) The K48-K63 branched ubiquitin chain regulates NF-κB signaling. Mol. Cell 64, 251-266)
要旨
タンパク質のユビキチン化は生体に必須の翻訳後修飾である。その複雑かつ精緻なシステムは「ユビキチン・コード」と総称され、その全貌は未だ明らかになっていない。これまで一般的に、単一の連結タイプが連なったユビキチン鎖(例えばK48鎖はプロテアソーム依存性分解、K63鎖は炎症応答などを制御)が別個に機能すると考えられてきた。これに対し、ユビキチン分子内の2ヵ所のリジン残基が連結に使われることで「枝分かれ」した(分岐型)ユビキチン鎖が細胞内にどの程度存在するかはわかっておらず、ユビキチン研究における大きな謎の一つだった。本研究では分岐型ユビキチン鎖の定量法を開発し、主要なユビキチン鎖であるK48鎖とK63鎖からなる分岐型ユビキチン鎖が細胞内に予想外に豊富に存在すること、炎症シグナル伝達に関与していることを見出した。この知見は、2種類のユビキチン鎖が分岐して新たな機能を獲得する、ユビキチンシグナルの新たな伝達機構の可能性を示している。

東京都医学総合研究所 蛋白質代謝研究室の若手研究者お二人に、タンパク質ユビキチン修飾の細胞機能について、最先端のお話をしていただきます。細胞生物学・生化学のみならず、タンパク質科学や構造生物学の研究者にとっても興味深い内容です。皆様どうぞご参加ください。

細胞制御工学研究センターコロキウム 0014、0015 ポスター

細胞制御工学研究センターコロキウム 0014、0015 ポスター

お問い合わせ先

科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター 駒田雅之

E-mail:komada.m.aa@m.titech.ac.jpp

更新日:2017.07.04

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