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伊藤研究室 ―研究室紹介 #3―

素粒子の統一理論の探求

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2016.08.16

物理学は、自然界に起きるさまざまな現象の中に法則性を見い出し、それを体系化していく学問です。その対象は、素粒子、原子核という極微のスケールから始まり、多彩な構造や性質をもつ原子レベルの物理、さらに我々を取り巻く宇宙まで、あらゆるものを対象にしています。物理学系の研究室では、そのほとんどすべての領域をカバーし、世界をリードする最先端の研究が行われています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、素粒子の統一理論を探求する、伊藤研究室です。

伊藤克司教授

研究テーマ
超対称ゲージ理論、超弦理論、共形場理論の研究
Webサイト
素粒子論研究室別窓
研究者詳細情報(STAR Search) - 伊藤克司別窓

研究内容

素粒子理論、特に超対称ゲージ理論や超弦理論の理論的研究を行っています。超対称性とはボソン場とフェルミオン場を結び付ける対称性であり、超弦理論は、素粒子間に働く相互作用(電磁力、強い相互作用、弱い相互作用、重力)を統一する理論の有力な候補です。超対称性をもつ場の理論は力の統一理論を構築する上で重要であるのみならず、双対性等数理物理的に興味深い構造をもっています。

最近は、超対称ゲージ理論および超弦理論における非摂動効果や、ゲージ/重力対応と可積分模型の手法を用いた超対称ゲージ理論の強結合領域における物理を研究しています。

研究詳細

超弦理論や超対称ゲージ理論に関係する物理を様々な観点から研究しています。これまでの研究テーマとしては、2次元共形場理論(W代数等)、N=2超対称ゲージ理論における非摂動効果、特にオメガ背景場における超対称ゲージ理論の構成と変形されたソリトン解(インスタントン、モノポール)の構成、N=2低エネルギー有効理論の厳密解の構成(Seiberg-Witten 理論)、反ドジッター時空における超弦理論、非可換(超)時空上の場の理論の研究等があります。最近は、AdS/CFT対応と呼ばれる、ゲージ理論と重力理論の双対性を可積分模型の手法(熱力学的ベーテ仮説)を用いて検証しています。 特に、強結合領域におけるグルーオン散乱振幅やWilsonループを反ドジッター時空内の極小曲面から評価し、超対称ゲージ理論を厳密に解くことを目指しています。

学生に一言

伊藤先生より
研究者になるには、3つの要素が必要だと言われています。第一に専門分野の基礎知識をしっかりと身につけること。第二に簡単なことでもよいから、自分がやれることから地道にやっていくこと。第三に、いずれは大きな仕事ができると希望を持つこと。これらのバランスを保つには、研究室の仲間や先輩と日常的に議論していることがとても役立ちます。

メンバー紹介

  • 准教授:今村洋介
  • 助教:綿引芳之
  • 研究員:小林慶重、菅野正一、木村哲士
  • 博士課程:Christopher Locke、松野寛樹、金山祐介、加藤洋崇
  • 修士課程:和田健司、阿部田将史、今井一博、束紅非、谷口太基、朝岡翔万、鎌田航

お問い合わせ先

教授 伊藤克司
E-mail : ito@th.phys.titech.ac.jp

※この内容は掲載日時点の情報です。最新の研究内容については研究室サイト別窓をご覧ください。

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