材料系 News
東京工業大学は、2020年度「東工大の星」支援【STAR】(英語名称:Support for Tokyo Tech Advanced Researchers【STAR】)の採択者に理学院 物理学系 平原徹准教授と科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所 熊谷悠准教授(材料コース 主担当)の2名を決定し、3月5日発表しました。
「東工大の星」支援【STAR】とは、東京工業大学基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者へ大型研究費の支援を通じて、次世代を担う本学の輝く「星」を支援するものです。
第8回目の今回は、2名の「星」が学長及び研究・産学連携本部長の協議により選考されました。
所属部局 | 担当系・担当研究所 | 職名 | 氏名 |
---|---|---|---|
理学院 | 物理学系 | 准教授 | |
科学技術創成研究院 | フロンティア材料研究所 | 准教授 | 熊谷悠 |
酸化物は、多彩な組合せで元素構成されるために希少元素や毒性元素を含まない光・電子機能材料の設計が可能です。それら酸化物は、薄膜トランジスタや不揮発性メモリへと応用されており、また超伝導や光触媒など様々な観点から基礎研究が行われています。
私は量子力学に基づいた理論計算を用いて、この酸化物の点欠陥特性や光吸収係数等の多様な物性値を対象に系統的計算を行い、それらを計算材料データベースとして纏める研究を行っております。さらに本データベースを用いることで、機械学習による物性予測、未知の物理・化学現象の発見、新材料の開発の実現を目指しています。
この度は、「東工大の星」支援に採択頂き、大変光栄に存じます。東工大基金の寄附者の皆様および選考委員の皆様に心より御礼申し上げます。このご支援のもと、より一層挑戦的な研究に邁進していきたいと思います。
超伝導とは物質の電気抵抗がゼロになるという、巨視的に量子力学的な効果が現れた現象で、1911年の最初の発見以来、高い超伝導転移温度を示す物質の探索が盛んに行われてきました。通常、物質を薄くしていき原子数層の厚さにすると超伝導は発現しにくくなりますが、近年、原子層物質であってもそれを支えている基板の効果によって普通の分厚い物質よりも高い超伝導転移温度を示すものが見つかりました。しかし、なぜこれまでの常識とは逆のことが起きているのかは完全に解明されていません。私たちは、原子層薄膜と基板の界面に着目することで高温超伝導の起源を明らかにすると同時に、この界面を修飾することでより機能的な高温超伝導体の開発を目指しています。
「東工大の星」支援の対象にご選出頂き、非常に光栄に思います。これまでご指導いただいた諸先生方、日々実験を頑張ってくれている研究室メンバーに感謝しております。同時に選考いただいた先生方や東工大基金の寄附者の皆様に御礼申し上げます。本研究は基礎研究でありますが、遠い将来に人類の生活にも役に立つ可能性があると思いますのでそれに向けて本支援をもとにより一層研究に励んでいきます。
東工大基金を活用し、本学における優秀な若手研究者への大型支援を実施することにより、本学の中期目標である基礎的・基盤的領域の多様で独創的な研究成果に基づいた新しい価値の創造を促進し、もって、学長の方針に基づく本学の研究力強化に資することを目的とします。
公募によらず、様々な業績を勘案し、学長及び研究・産学連携本部長の協議により決定します。
若手研究者を准教授以下(原則40歳以下)とします。
このイベントは東工大基金によりサポートされています。