材料系 News
ガラスやアモルファスを用いた機能性材料を創製する
材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、機能性ガラス・アモルファスの研究に取り組む、瀬川研究室です。
無機材料分野
材料コース
研究室:物質材料研究機構(つくば市)
特任教授 瀬川浩代
研究分野 | ガラス / アモルファス膜 / 溶融 / 陽極酸化 / ガラス焼結 / 発光材 |
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キーワード | ガラス、ハイブリッド材料、プラズモン |
Webサイト | 瀬川研究室 瀬川浩代 - 研究者詳細情報(STAR Search) |
ガラスやアモルファス材料の研究を国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)でやっています。NIMSは国の政策に基づいて幅広く材料研究を行っている研究所です。材料評価のための設備や、専門家がそろっている環境で研究をすることが出来ます。研究所では唯一のガラスの研究室です。研究室では、ガラスの作製や加工、評価はもちろんのこと、陽極酸化を用いた非晶質アルミナ膜の作製もできるようになっています。他の大学院からの学生も一緒に研究を進めています。最近のテーマとしては、SiAlON蛍光体分散ガラスの作製、プロトン伝導ガラスの作製、Ti3+発光ガラスの作製、交流陽極酸化による積層アルミナ膜の作製をやっています。
高い耐熱性を有する酸窒化物蛍光体がNIMSで開発されました。ガラス中に分散することによって、ハイパワーのLEDへの応用が期待されます。特に、黄色蛍光体であるCa:α-SiAlON:Eu2+は、青色LEDで照射することによって疑似白色光を得ることが出来ます。このような黄色蛍光体を中心として、ガラス中への分散方法の開発を行っています。
ガラス中へ水素イオンを導入することによってプロトン伝導体となることが古くから知られています。しかしながら溶融法で作製したガラスでは、プロトンがあまり導入できませんでした。しかし、ガラスを高圧高温の水蒸気下で処理することにより、ガラス中にナノ結晶が析出し、高い電気伝導を示すことを明らかにすることが出来ました。
交流で陽極酸化を行うと、図のような積層構造が形成されることを見いだしました。これらの構造は貝殻の真珠層の構造と類似しています。膜厚などを調整することによって構造に由来する色のついた膜を作製することが出来ました。条件によっては真珠のような光沢を持った膜を作ることも可能です。
材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。
特任教授 瀬川浩代
E-mail : SEGAWA.Hiroyo@nims.go.jp
Tel : 029-860-4601
※この内容は2016年4月発行の材料系 無機材料分野パンフレットによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。