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林智広研究室 ―研究室紹介 #42―

細胞は人工物をどの様に見るか?界面の分子プロセスの解明を目指す

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2017.01.27

材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、「生体適合性とは何か?」「それを調べるための装置は?」という研究を日々行い、医療分野での貢献を目指す、林智広研究室です。

准教授 林智広

無機材料分野
ライフエンジニアリングコース・材料コース
研究室:すずかけ台キャンパス・G1棟1010号室
准教授 林智広

研究分野 界面科学 / ナノバイオテクノロジー / プローブ顕微鏡の開発 / ナノフォトニクス
キーワード バイオ界面、プローブ顕微鏡、近接場光学、計算科学と融合
Webサイト 林研究室別窓
林智広 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓

なぜバイオ界面が重要なのか―生体適合性・親和性とは?

私たちの身のまわりを見渡してみますと、コンタクトレンズ、化粧品、衣服などの日用品から、人工血管・臓器、人工関節、さらには再生医療における細胞の足場材料などの最先端医療機器に至るまで、数多くの細胞・生体組織と接して動作するデバイスが存在します。今後の社会ではこれらの材料・デバイスの重要性はさらに増し、より高い安全性が求められます。そのためには、材料が人体に対して異物・拒否反応を起こさず、人体組織と目的に応じて適切に相互作用すること(生体適合性)が求められます。しかし、この生体適合性の物理的・化学的起源については未知の部分が多く、生体適合性材料の開発は試行錯誤的なアプローチに頼っているのが現状であり、バイオ界面で起こるプロセスの分子・原子レベルでの根本的な理解が求められています。

研究テーマ

バイオ界面の構築

真空蒸着、化学的処理、分子成膜、表面化学反応を用いた表面の構築

表面・界面科学、計測制御、計算科学、情報科学を駆使した界面分析技術の開発

バイオ界面の解析に特化したプローブ顕微鏡技術の開発、第一原理計算、分子動力学法を用いた界面分子計算・シミュレーション、ニューラルネットワーク解析を用いた材料設計

生体分子、細胞・組織の材料に対する応答の解析

タンパク質吸着・細胞接着実験、細胞の足場となるタンパク質のプロテオーム解析の一連の研究を自分達で行うことで、人工物と生体組織の間で起こる分子プロセスの詳細な解析を行っています。これによって、生体適合性発現のメカニズムの正確な理解、目的に応じた生体適合性材料の開発に挑んでいます。

林智広研究室

主な実験設備

独自に開発した原子間力顕微鏡、表面・探針増強ラマン・蛍光分光装置、真空蒸着装置、化学実験室、細胞培養設備など

研究室メンバーは?

林研究室は物理・化学・生物・電子工学・情報・機械など、様々な分野出身のメンバーで構成されています。また、フィリピン、タイ、インドネシア、モンゴル、エジプトなどからの留学生の割合が高いことも研究室の特徴です。違う分野・文化背景の異なるメンバーでチームを組み、研究を進めます。自分の得意分野を生かしつつ、他分野の学問・技術を学び、融合分野の学問を創成しよう!という冒険心のある学生を歓迎します。

日々の研究生活

常に他大学、企業(化学メーカー、測定機器メーカなど10社程度)、研究機関と連携しつつ、研究をすすめています。林研究室のメンバーは大学内のみで研究を行うことは少なく、在学中に他大学・他研究室、国立研究所、企業など様々な環境で研究を行います。この経験は将来の進路を決める上で、役に立つと信じています。

材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

准教授 林智広
E-mail : hayashi@echem.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5400

※この内容は2016年4月発行の材料系 無機材料分野パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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