材料系 News

森川研究室―研究室紹介 #32―

熱を制する材料

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2016.12.16

材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、熱を制する材料の開発を行う、森川研究室です。

教授 森川淳子

有機材料分野
ライフエンジニアリングコース・材料コース・エネルギーコース
研究室:大岡山キャンパス・南8号館513号室/512号室
教授 森川淳子 助教 ザメンゴ・マッシミリアーノ

研究分野 有機材料熱物性 / 温度波熱分析法 / 赤外線カメラによる可視化熱分析 / 高分子成形工学 / エネルギー材料
Webサイト 森川研究室別窓
森川淳子 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓
ザメンゴ・マッシミリアーノ - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓

研究内容と目指すもの

  • 熱物理現象のサイエンス(Thermal Science)の探求と、熱を制する材料の開発、熱伝導/熱の可視化に関する新規な計測法/解析法の研究を行っています。
  • 有機・高分子材料は、環境や新エネルギーの観点から、幅広い分野で重要性を増しています。なかでも、熱に関する機能をもつソフトマテリアルの開発に新たな注目が集まっています。その熱特性は、力学・電場・磁場・温度場・相転移などを用いた多層化や微細発泡、コーティングなど、さまざまなプロセッシング技術の構築とも密接な関係を持ちます。さらに、LEDや太陽電池、蓄熱材等、幅広い分野の先端材料のミクロ伝熱や放熱・断熱・蓄熱・輻射などの熱物性に注目して、精密測定法や材料設計を行い、最新のエネルギー材料の開発や再生可能エネルギーシステムへの応用を目指しています。
  • 開発した新規なミクロ熱解析技術は、測定法として国際標準となるとともに、バイオテクノロジーや食品分野へ応用する取り組みも進められています。高温太陽熱供給システムへの応用や、マテリアルインフォマティクスへの取り組みも、具体的に開始されています。

遂行する研究テーマ

1. Thermal Imaging可視化熱分析・可視化熱伝導率・熱拡散率測定

細胞冷凍過程の潜熱の赤外線画像、Paris Tech(France)との共同研究

図1 細胞冷凍過程の潜熱の赤外線画像、Paris Tech(France)との共同研究

赤外線2次元素子/顕微鏡光学系を用いたThermal Imaging法は、ミクロスケールの不均一系の熱伝導、相転移など発熱を伴う現象の熱拡散、ミクロ欠陥検出、細胞の凍結現象(凍結保存薬の性能評価などへの展開)、電子材料の絶縁破壊、回路発熱とその設計への応用、蒸発・沸騰などによる冷却解析、断熱圧縮膨張による吸発熱の解析など、あらゆる材料設計の基礎として展開する可能性を秘めています(図1)。実際の熱の流れを観測しながら、熱流分布と材料内部の構造分布を相関付けるシステム開発を行います(図2)。

ポリイミドフィルム内部のフェムト秒レーザー微細加工域に変調レーザー光を照射したときの、温度場の可視化

図2 ポリイミドフィルム内部のフェムト秒レーザー微細加工域に変調レーザー光を照射したときの、温度場の可視化

2. 不均一系の熱伝導解析と熱を制御する材料(放熱材、断熱材、蓄熱材)の開発

逆問題解析や有限要素法、さらには回路設計技術など、最新の設計解析技術と、実験科学の両論をベースとした、新しい熱機能性ソフトマテリアルの開発と、その熱物理の解明に力を注ぎます。熱の制御の普遍性から、材料コース、エネルギーコース、ライフエンジニアリングコース、いずれのカリキュラムにも対応しています。熱と光のイメージングにより、人と環境に優しい熱機能材料・次世代エネルギー開発への貢献を目指しています。

材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

教授 森川淳子
E-mail : morikawa.j.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2497

助教 ザメンゴ・マッシミリアーノ
E-mail : zamengo.m.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2497

※この内容は2016年4月発行の材料系 有機材料分野パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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