材料系 News

神谷研究室―研究室紹介 #14―

ひらめきとコンピュータを使って 常識を覆す新しい酸化物機能材料・デバイスを創る

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2016.10.14

※神谷研究室は2017年4月より神谷・片瀬研究室として活動を行っています。

材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、世界を席巻する新しい機能材料の設計、開発を行う、神谷研究室です。

教授 神谷利夫 助教 井手啓介

無機材料分野
材料コース
研究室:すずかけ台キャンパス・J1棟615号室
教授 神谷利夫 助教 井手啓介

研究分野 新無機機能材料開発 / 材料科学 / 半導体デバイス
キーワード 新無機半導体開発、ディスプレイ用半導体デバイス、太陽電池、量子シミュレーション
Webサイト 細野・神谷・平松研究室別窓
神谷利夫 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓
井手啓介 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓

研究目的「太陽電池、ディスプレイ、発光素子などの性能は“新材料”で決まります」

酸化物を中心に新しい機能材料を創り、その特長を生かしたデバイスを開発しています。

現在のコンピュータやディスプレイ、太陽電池などには、SiやGaNなどの共有結合性半導体が使われています。しかし、現在のSiでは、有機ELテレビや低コスト高効率の太陽電池を作るのが難しいなど、限界があります。

当研究室では、今まで使われてきた電子材料とは全く違った材料系で、今までは作れなかった光電子デバイスを実現できる新材料・デバイスの研究をしています。

研究テーマ

使える新しい機能材料とデバイスの開発

例1:アモルファス酸化物半導体

図1 IGZOを使った透明フレキシブルトランジスタ

図1 IGZOを使った透明フレキシブルトランジスタ

2004年以前は、Si、GaNやZnOのような結晶でないと「良い半導体」はできないと信じられていました。

それに対して私たちは、In-Ga-Znを成分とする酸化物IGZOが、アモルファスであるにもかかわらず高性能のトランジスタを作れることを実証し、図1のような透明でフレキシブルな高性能トランジスタを発明しました。この技術は、iPad、Surface Pro4や77型有機EL TVなどに使われています。

科学者の常識を覆す新しい機能材料

例2:共有結合を利用して、絶縁体のはずの材料を透明導電体にする

図2 量子計算で描いたSrGeO3の波動関数

図2 量子計算で描いたSrGeO3の波動関数

酸化ゲルマニウムは6 eV以上の大きなバンドギャップをもち、非常に良い絶縁体として知られています。

しかし、図2のような量子計算によって電子構造を正しく理解すると、立方晶構造のSrGeO3はバンドギャップが2.7 eVへと極端に小さくなり、良い透明導電体になることが分かりました。このように、計算機シミュレーションを援用することにより、物質に関する新しいセンスを身に着け、画期的な新材料を開発できます。

今まではできないと信じられてきた材料を実現する

例3:バンドギャップが4 eV以上のアモルファス半導体
上でも述べたように、アモルファス半導体の特性は良くないと信じられてきました。私たちはこの迷信をAOSによって覆したわけですが、次には「バンドギャップの大きいアモルファス半導体は作れない」という迷信がありました。私たちは、アモルファス酸化物におけるドーピング機構と欠陥をきちんと理解することにより、バンドギャップ4.15 eVのアモルファス酸化物半導体の開発に成功しました。

コンピュータを利用した材料科学・材料設計

上述のような新材料は、行き当たりばったりに材料合成をしても見つけることはできません。当研究室では、量子計算やデバイスシミュレーションなどのコンピュータ支援と、材料研究者としてのひらめきによって「使える新材料」の研究を進めています。

指導方針

  • 細野・平松・松石研究室と協力して研究をしています。当研究室だけでなく、総勢20名以上の学生がお互いに助け合いながら勉強・研究に取り組んでいます。
  • 当研究室の学生は、物理、電気、化学など、大きく異なる学科の卒業生ばかりです。そのため、入学後に、ゼミ、輪講などを通じて 研究を進めるのに必要な知識を学んでいきます。新しい分野に挑戦するのに最適な環境です。
  • 教科書を読むだけではなく、データベース、計算ソフトなど、コンピュータ支援を積極的に使い、電子構造、物性物理、デバイス動作機構などを学んでいきます。
  • ゼミは10名程度の少人数で行います。そのため、十分な時間を取って、学生が自分で考えるとともに、専門的な考え方を学ぶことができます。
  • 修士学生は、卒業までに最低1回、国内学会で発表をしています。博士学生は、毎年1回以上、国際学会で発表をしています。
  • 修士学生でも、成果が出れば国際学会で発表したり、国際英文誌に英語で筆頭著者として論文を書いています。
  • 学生が筆頭著者の英語論文数 10報(2015年)
  • 学生の受賞
2016年度D3 Kim君
2016年応用物理学会春季講演会 講演奨励賞
2016年度M2 岸田君
International TFT Conference 2016 Poster Paper Award
2016年度M2 Tang君
物質科学創造専攻 土肥賞
2016年度D3 Xiao君
物質科学創造専攻 土肥賞
2016年度D3 Kim君
物質科学創造専攻 土肥賞
2015年度D2 Kim君
2015年薄膜材料デバイス研究会スチューデントアワード
2014年度M2 石川君
2014年薄膜材料デバイス研究会スチューデントアワード
2013年度M2 大類君
International TFT Conference 2014 EPL Poster Award

材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

教授 神谷利夫
E-mail : kamiya.t.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5357

※この内容は2016年4月発行の材料系 無機材料分野パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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