材料系 News
「かたち」からはじめる高分子機能設計
材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、高分子トポロジー化学を開発する、手塚研究室です。
有機材料分野
材料コース
研究室:大岡山キャンパス・南8号館814号室
教授 手塚育志
研究分野 | 高分子トポロジー化学 |
---|---|
Webサイト | 手塚研究室 手塚育志 - 研究者詳細情報(STAR Search) |
私たちは、「かたち」をキーワードとしてマテリアルデザインを新しい視点から展望する研究を進めています。特に高分子(柔らかくて長いひもとしてイメージされるナノスケールの分子)の「かたち」は、トポロジー幾何学を視座として展望すると、思いがけない魅惑的な世界が広がってきます。たとえば、直感的には結び目のひもと環のひもはもちろん「区別される」異なるかたちですが、やわらかい環のひもは、変形して四角や三角にすることができます。この直感に対して、トポロジー幾何学は、結び目と環でさえ、「4次元空間」ではお互いに変形させれば行き来することが出来ると教えています。私たちの様々な直観は、しばしば固定観念として常識化されてしまいますが、数学・幾何学とのコラボレーションによってマテリアルデザインへの新たな視点が生まれるかもしれません。
高分子の「かたち(トポロジー)」のデザインには、ユークリッド幾何学の制約を超えた大きな自由度があります。直線状(これまでのほとんどの合成高分子)だけでなく、分岐状や環状・多環状の構造を自在に設計し、さらにこれらを組み合わせてお好みの高分子トポロジーを効率的に合成する、新しい化学反応プロセス(高分子トポロジー化学)を開発中です。
材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。
教授 手塚育志
E-mail : ytezuka@o.cc.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2498
※この内容は2016年4月発行の材料系 有機材料分野パンフレットによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。